第49話 報告

目覚ましがなる前に自然と目が覚める。

時計を見ると月曜日と書かれていた。

学校か……

憂鬱な気分もあるが、七菜美に会えるから嬉しいと言う気持ちが大きい。

そう、俺は昨日七菜美に気持ちを伝え、彼氏になった。

実は七菜美とは小学5年生の時に出会っていたこと。七菜美はその時からずっと俺の事が好きだったということ。

だから運命の鐘が鳴ったのかな……

そんなことを考えていると、ふふっと笑いが出てくる。


学校に着き、朝練の為に準備をする。

正門から駿介が走ってやってきた。


「はー、はー、ど、どうだった?」

「無事、付き合うこととなりました」

「おめでとう!てかなんで坂石さんの気持ちに気づかなかったんだよ?!多分周りの人ほぼみんな気付いてたぞ!」


え?嘘だろ……


「嘘だろ……みたいな顔してるけどホントだよ。なんで自分のことになると鈍感なんだか……」


今日の走りは、いつも以上に軽やかに走れた気がする。理由はまあ、そういうことだ。


教室に入ると、七菜美が席に座っているのが見えた。


「おはよう七菜美」

「おはよう春樹。朝練お疲れ様」

「おう!七菜美もお疲れ!今日提出物何だっけ?」

「えっと、今日は漢字のワークだけだった気がする……」

「オッケー!ありがとう」


俺らのやり取りをニヤニヤしながら見ている3人組が横目で見えたが、無視でいいや。


お昼の時間になり、いつもの5人でご飯を食べる。


「いや〜安心しましたね〜」

「いや、何がだよ」

「春樹と七菜美ちゃんが普通に喋ってて」

「そりゃー普通に喋るだろ……」

「いや、付き合いたてのカップルって気まずくてなんも喋れない。そっから友達に戻りたくて別れる。なんてケースもよくあるからなー」

「お前らはそんな感じ一切なかったな……」

「そりゃ〜私の愛が凄いからねー!」

「おいおい、恥ずかしいじゃないかよ〜!」


あーあ、2人の世界に入っちまったよ……


「これで七菜美ちゃんも堂々とイチャつけるね!前春樹にき……ふごっ!!」

「だ、黙ろっか!」


顔を真っ赤にして楓の口を抑えている。

焦る七菜美も可愛ーな〜


「ダブルカップルの中1人だけ彼女無しはキツイんだが……」

「いや、駿介も彼女作れよー」

「いや、秋大みたいにイケメンでもねーし、特にそういう欲もないからな……」


確かに……

5人で遊ぶ時はダブルデートプラス孤独者みたいになっちまうな……

ようやく七菜美から開放された楓が提案をした


「再来週5人で遊びに行こー!」

「いや、それ俺がダブルデートに付いてった孤独で悲しいヤツになるから!」

「じゃあ、でんちゃん来ない?」

「行きたいけど……邪魔にならねーか?」

「あははは!別にみんなの前でイチャつきたいわけじゃないし、邪魔になるわけないじゃーん!」

「じゃあ……」

「それじゃあ決定!異議は?」

「「「「なーし!!」」」


こうして、再来週5人で遊ぶことが決まったのだった



~あとがき~

2人が付き合い、新章突入みたいなイメージで書いてます!

これからもよろしくお願いします!

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