第34話 テストの前と後

ついに明日はテスト当日……

今回は入試の時並みに勉強した。

坂石さんに勝って、デートしてもらう!

しっかし眠い。

最近睡眠時間を削っている。その疲れがここに来てズンとくる。


「春樹大丈夫か?今にも寝そうだぞ」

「大丈夫かは分からないな。今日の世界史はヤバいかも……」

「私はいっつも世界史寝てるよ!」

「あはは!自信満々に言うことじゃないだろ」


世界史の先生は何言ってるか分からないため授業はめちゃくちゃ眠たい。

おじいちゃんだから仕方ないのかな……


クラスに入ると、何人かから「おはよう〜」と挨拶されたので、「おはよう!」と返していく。

俺を見て相田が駆け寄る。


「えらい眠そうだな!勉強か?」

「まあ、そんなとこだ」

「偉いな〜俺なんか提出物まだだぜ!あはは」

「ふふっ それはヤバいぞ、頑張れよ!」


席に着き、隣の坂石さんに挨拶する。

坂石さんのだいぶ眠そうだ。


「坂石さんおはよう。今にもおやすみしそうだね」

「おはよう今井君。今井君も今にもおやすみしそうだね」


なんかおかしくなって共に笑みがこぼれる。

しばらくすると、ホームルームが始まった。


午前の授業は全て終わり、お昼の時間だ。


「春樹今日世界史ダウンしてたな」

「ああ。でもあの先生よくわかんないからな、自主勉でなんとかするよ……」

「今日は早く寝なよ〜七菜美ちゃんも今日眠そうだったね〜 珍しい!2人揃って頑張るね〜 賭けかなんかしたの?」

「し、してないよ!さ、最初のテストだからね!だよね!今井君!」

「あ、ああ!最初は大事だからな!楓も頑張れよ!」


どうやら勝負のことは2人の秘密らしい。

何故か秋大と楓が目を合わせて笑っているが無視で良いだろう……


なんとか眠さをこらえ、午後の授業を乗り切った。


「バイバイ!明日は頑張ろうね!」

「そうだね!頑張ろう!バイバイ坂石さん」



坂石さんと別れ、下駄箱へ向かう。

そこには秋大と楓がいた。

いつものように3人で帰る。


「坂石さんと何を賭けたんだよ?」


なにっ?

俺たちの完璧な演技を見抜いただと!?


「な、何も賭けてないよー」

「まあ、言う気がないなら良いんだが……頑張れよ!」

「な、なんの事か分からんがありがとう」


そこからは他愛のない話をして、家に帰った。




**

2日に分けられたテストも無事終わった……

数学は少し心配だが、それ以外は好感触だ。

今井君が数学を教えてくれたおかげで、平均はかなりいいと思う。

今回の賭けは、自分でもかなり攻めたと思っている。

でも、今回なんとか勝って、名前で呼んで欲しい。

今井君もそうとう勉強を頑張っていたはずだから、余程私に何かして欲しいのかな?

ま、まさかHなことだったりして……

で、でも、今井君となら……

何考えてるの私!

と、とにかくテストが無事終わって良かった!


「坂石さん、ちょっといいかな?」


声主は、相田だった。


「どうしたの?」

「お昼ご飯食べる前、体育館裏に来てくれないかな?」

「うん、分かった」


なんとなく何があるかは察した。

お昼の時間になり、今井君達には先に言っといてと伝え、体育館裏に行く。


「坂石さん、好きです!」

「あ、ありがとう……」

「坂石さんが今井の事を好きなのは知ってるよ。だから付き合って欲しいとは思わない。むしろ、応援したい!友達になってくれないかな?」


まさかの言葉に驚いた。

こんな事を言われたのは初めてだ。

てかなんで今井君が好きなの知ってるのよ〜!

いろいろ言いたい事があってまとまらない。


「うん!……あ、あと質問なんだけどなんで今井君の事が好きって分かったの?それにどうして応援したいと思ってくれたのかな?」

「いや、だってそんな感じの雰囲気出てるんだもん。応援したくなった理由は、坂石さんには今井しかいないなーってなんとなく思ったし、今井とはライバルじゃなくて友達としていたいと思ったからね!」


そんなに好きオーラ出てる?!

でも今井君鈍感だからなー

むしろもう少し攻めないと……


「てなわけで、よろしくね!時間くれてありがとう。今井達が待ってるよ」

「あ、うん!じゃあまた後で!」


そう言って好きな人の元に私は走り出した。

相田君は、いい友達になりそうだ



~あとがき~

次はテストの結果発表です!

どっちが勝つでしょうかね?!


これからもよろしくお願いします!


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