第19話 その後と約束

はーはー

息はなかなか整わない。

まああんなに全力で走ったのは久しぶりだから無理もないだろう……


「お疲れ。ラスト速すぎだろ!ナイスランだった。」


陸上でも恋でもライバルの相田はそう言って俺の前に手を伸ばす。


「お疲れ。相田がいたからいい走りができた。ありがとう。ナイスラン!」


そう言って相田の伸ばした手を握り、握手をする。

スポーツのこういうところが好きなんだよな〜

そんなことを思っていると、周りから拍手が起こる。


「お前たち凄いな!体育の授業でこの記録はなかなかいないぞ!」


先生にそう褒められ、何だか照れくさかった。


少し時間が空き、女子がスタートする。

運動神経はめちゃいい楓がトップでゴールした。

坂石さんは5番目くらいと、普通に速かった。

当然俺は坂石さんと楓の応援をした


4時間目は英語だったが、寝ている人がチラホラいた。

俺もそのうちの1人だったことは黙っておこう……


気付けば授業は終わり、昼食の時間となった。

いつもと同じように4人で食べる。そして、雑談をする。たったそれだけだが、俺にとっては最高の時間だ。


「いや〜今日の春樹はいつもより凄かったな〜」

「確かに、スタート前とか殺気に満ちてたし」


殺気!?そんなん出てたのかよ!

今日は体育の事を話していた。


「凄い速かったよね!カッコよかった……」


顔を若干染めながら坂石さんに「カッコイイ」なんて言われたもんなので、顔が真っ赤になる。心臓も走った時と同じくらい早く動く。


「あ、ありがとう…… お、 応援ありがとね!」


楓と秋大は必死に笑いを堪えている……

おいてめーら!!

沈黙が数秒続いた。


「ちょ、ちょっとトイレ行ってくるわ」


俺はその沈黙から逃げるようにトイレに行った。まあ普通に行きたかったし……


トイレから戻ると、また元の空気に戻っていたのでホッとした。

そこから時間いっぱい話し、楽しい時間をすごした……


5、6時間目が終わり、帰りのホームルームが始まる。

月曜日は全部活が休みだ…… 今日の放課後何しよっかな〜

なんてことを、先生の話をボーっと聞きながら思っていた。

すると俺の腕につんつんとされた感覚がきた。

まさか坂石さんなわけな……

坂石さんじゃん!!

彼女の可愛らしい仕草にやられた……

心臓が暴走するとともに、顔が真っ赤になる。

そんな俺の状況を知らない坂石さんは小声で喋りかける。


「きょ、今日部活ないし放課後時間あるかな?

数学で分からないとこがあったから教えて欲しくて……」


なんか小声も可愛いし!

だからその上目遣いは禁止だろ……


「今日放課後暇だなーって思ってたんだ。いいよ!勉強しよ!」

「うん!よろしくね!」


よっしゃぁぁ!

また勉強ができるぞ!!

心の中でそう叫んだ。






~あとがき~

読んでいただきありがとうございます。

次は2度目の勉強会!

お楽しみに!

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