第6話 俺にとっての首脳会議(ただのランチタイム)
昨日あまり眠れなかったが、いつもどうりの時間に起きることが出来た。
そして、いつもどうり走り、朝食を済ませて、秋大と楓の3人で学校に行く。
そんないつもどうりの朝なのに俺の心はウキウキだった。
これが恋の力か……
そんな事を1人で思っていた。
「昨日何があった?なんか気持ち悪いぞ。」
「確かに今日の春樹はいつもの春樹じゃない。なんか気持ち悪いね。」
「おいおい、急に2人揃って気持ち悪いは酷くないか?」
「いやいやほんとになんか気持ち悪いから。で、昨日何があったんだよ?」
「昨日は坂石さんと連絡先を交換した。」
「どうりで気持ち悪いわけだ。まあ、良かったな!」
「そういう事か〜 1歩前進じゃん!」
気持ち悪いは余計だろ!
まあ共に喜んでくれるのは嬉しいな……
学校に着き、教室に入る。
昨日と同じように坂石さんの周りには、何人か人がいた。
俺は勇気を出して挨拶をした。
「みんなおはよう。今日も1日頑張ろうー!」
好きな人に挨拶するのってこんなに勇気がいるのか。
先が思いやられるな……
そんな事を考えていると、挨拶が返ってきた。
「おはよう、今井君。今日も頑張ろうー!」
微笑みながら挨拶をしてくれた坂石さんに思わず見とれてしまった。
周りの人の挨拶は、申し訳無いが俺の頭に入って来なかった。
1時間目は学年集会で、昨日決めた学級目標について発表し合った。
発表の時俺は、みんなの前だからというよりも、坂石さんが隣にいる事に緊張していた。
打ち合わせどうりに上手くでき、無事に発表を終えることができた。
オリエンテーションが続き、気付けば昼食の時間となっていた。
食堂で何を買おうかと教室で考えていると、
「おい春樹、折角だから坂石さんを昼飯に誘おうぜ!」
「私も仲良くなりたいもん!」
「じゃあお前らが誘えよ」
「え〜折角話せるチャンスなのにいいの?」
「なんかその顔ムカつくな!分かったよちょっと聞いてみる。」
まだ席に座って教科書の片付けをしている坂石さんに、俺は意を決して話しかけた。
「坂石さん、これから秋大と楓の3人でご飯食べに行くんだけど一緒にどうかな?」
「いいの?!やった〜行こう行こう!」
とても嬉しそうにそう言ったので、俺の心臓は飛び跳ねた。
だが、周りの男子からの殺意混じった視線を感じ、心臓は一瞬にして静まった。
こうして4人でご飯を食べながら、色んな事を話した。
その時も、俺はほぼずっと緊張していて、会話はろくに頭に入ってこなかった。
何度か坂石さんに質問されることがあったが、楓がマシンガントークを繰り広げたおかげで俺の話す時間は少なく、俺の心臓は助かったのであった。
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