第4話 当然のこと

入学式の翌朝、俺はいつも通り5時に起きた。

まだ部活は始まっていないので中学校の部活を引退してからは1人で朝練をしている。

家族を起こさないようそっと家を出て、8キロほど、気持ちいいペースで走る。


走り終わり、朝食も済ませ、後は家を出るだけなのだが忘れ物をしている気がしてしょうがない……

でもこれは入学して、最初の1週間あるあるだ。すぐに慣れるだろう。そんな事を思いながら靴を履いて玄関を出ると、秋大と楓がいた。


「おっはよ〜今日テストあるよーヤバいね、アハハハハハ」


「おはよー身だしなみはちゃんと整えたか?」


ニヤニヤしてるからそういう事だ。

ちなみに楓の頭はいいわけでわない。


「おはよう。テストは頑張るぞ!あと秋大、朝からいじるのはよしてくれ。タイキックするぞ」


「いや〜怖い怖い。朝からはやめとくよ」


「分かればよろしい」


いつものようにくだらなく、どこか楽しい会話をしながら学校に向かった。


学校に着き、クラスに入るとそこにはクラスの男女が坂石さんと楽しく話している姿があった。

可愛から当然のことなのだが、見ていてなんだがモヤモヤした気分になる。

ホームルームが終わり、課題テストが始まった。休憩時間に話そうかと悩んだが、悩んでいるうちにほかの男子がきて、話し始めたため、俺は黙ってトイレに行った。


これを繰り返し、気付けば昼休憩となった。

テストは終わったのに、なんだがスッキリしない。深くため息をついていた。


「そんなに落ち込むなって。話すチャンスはまだあるだろ?」


「でも可愛いから早く仕掛けないと取られちゃうかもね」


秋大と楓から、励ましと警告を同時に受けた。


「確かに話したいとは思うんだけど、何を話せばいいかとか余計なこと考えて話出せないんだよな」


「内容なんかなんでもいいだろ。とりあえずは好きな食べ物聞くとかなんでもいいから勇気出して喋りかけてこい!」


優しい親友を持って良かったと深く思った。


5時間目はオリエンテーションだったが、話すタイミングなどを考えていたら気付いた時には終わっていた。

そして、6時間目は学級目標を決めることになった。


「じゃあ、学級目標は喜怒哀楽で決定!今井と坂石は悪いが放課後この紙に学級目標書いといてくれ。あと、明日発表だから決めた理由とかも言えるようにしといてくれ」


絶好のチャンスがここに来て訪れた!


俺の心は闘志で燃えていた。

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