第3話 係決めと放課後
「春樹がいいと思います!」
秋大は元気よく学級代表に俺を推薦した。
まあ理由は俺の想いに気付いたからだろう。
すると、周りの皆も
「春樹なら任せられるな!」
「生徒会やってたし春樹でいいやろ〜」
そう、俺は中学校の時に生徒会に入っていた。そのせいか、周りの人達からは信頼されている。
「じゃあ今井でいいか〜?他にいなそうだし、今井はいいか?」
ここまでみんなが言ってくれたんだ。好きな人と同じ係できちんと仕事ができるのかと多少不安になったたが、断る理由にはならない。
「了解です!みんなよろしく!」
クラスの7割の人は中学校が同じだったりで知っているが、他の人はまだあまり知らない。これを機に仲良くなろう!なんて思っていると眠そうな先生が
「それじゃあ係決めして今日は終わりだ〜じゃあ早速今井と坂石中心に決めてくれ」
共同作業ということもあり、相変わらず心臓がうるさいが、顔が赤くなるのを何とか抑えて坂石さんと共に前に出た。
「それでは立候補するという人は手を挙げて発表してください。」
そう言いながら、これでいい?というように坂石さんを見ると優しく微笑みながら頷いた。
ヤバい可愛すぎるぅぅ!と心で叫ぶ俺のことは誰も知らず、係決めは10分ほどで終わった。
ホームルームも終わり、黒板消しの仕事を命じられた俺と坂石さんは、2人っきりで黒板を消している。
秋大と楓には先に帰ってくれと伝えたから、特に焦らず仕事を終える事が出来た。
緊張のあまり何も話せず、時間は過ぎていった。
もう帰ろうかと言う時に、坂石さんが
「お疲れ様。また明日ね!」
と、笑顔で手を振りながら教室を出ていった。その後俺がしばらく固まったのは言うまでもないだろう……
しばらくして、俺も教室を出て、玄関を出ると正門の前に秋大と楓が居るのが見えたので、走って向かった。
「先に帰ってくれって言ったろ」
「まー帰ろうかと思ったんだけど話したい事が沢山あるからな〜」
ニヤニヤしながら言うということは、そう言う事なんだろう。
「春樹、七菜美さんが好きなんでしょ!?」
楓がストレートに聞いてきた。
こいつらには嘘を言ってもバレるので本当のことを言うことにした。
「一目惚れだよ。まー俺があの子と付き合えるとは思わんが」
「そうか?俺は普通に脈アリだと思うんだけど。さっきも顔赤くして嬉しそうに走って帰ったけどな〜。なにかあった?」
「いや、挨拶を交わしただけなんだが。暑かっただけなんじゃないの?」
「それはともかく私は、恋をしなかった春樹が恋をして嬉しいな〜」
そう、俺は今まで恋をした事が無いのだ。
別に恋愛に興味が無い訳ではない。恋愛のマンガやラノベはすごく好きだ。
だが、俺の恋心は目覚めることは無かった。
つまり、これは俺にとって初恋になるのだろう。
こうして少しいじられながらも、いつもどうり、楽しく3人で帰ったのだった。
俺の心臓持つのかな……
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