これは別に始まりじゃなくて経過に過ぎなかったらしい
「今日からここの支部でお世話になります、ソエジマです!」
「まだまだ未熟者ですが、この支部に貢献できるように、頑張らせていただきます!」
元気よく挨拶をして、彼はにこ、と笑った。屈託のない笑顔から発せられた光が、社員たちの目に突き刺さった。
「どうしてこんな寂れた支部なんかに?君の経歴なら普通、本社でエリートコースだろうが」
そう経理がいうと、彼はあはは〜、と笑った。
「それがですね、あんま上司と相性が良くなくて。入社早々につまんないいさかいでぶん殴っちゃったもんですから、人事部に目ぇつけられちゃって〜!でもここ、家から近いし逆によかったかな〜って」
「勘弁してくれよ〜、俺、殴られたくはないなあ」
支部長はいつもの困り顔で、ギィとオフィスチェアを鳴らした。朝礼が終わり、皆がそれぞれの業務に戻り始める。
「安心してください。今はここをやめさせられるわけにはいかないんで、ちゃんとやりますよ。」
また、あはは〜と笑う。逆光。
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