第5話

次の日。この日は学校は休みで、なんの予定もなかった有咲。


「今日暇だから1日潜っちゃおうかな!」


そして有咲は朝目覚めてすぐに電脳世界へと入っていった。






「よぉーしついた!」


ログインしてすぐに、運営からのお知らせが手元に表示される。


―――――――――――――――――――――

本日より、全プレイヤーによって構成される

ランキングが開催!ランキング項目は全部で

3つ!レベル、討伐数、そして累計BP!各項

目ごとに1〜3位までが入賞、商品が授与され

ます!

1位目指して頑張りましょう!


―――――――――――――――――――――


「お!きたきたきたー!これだよこれ!」


興奮する有咲は周りの目を引きつける。その理由は大きくふたつ。ひとつは子供のようにはしゃいでいるから。

そしてもうひとつ。それは、見てくれは男性のフォルムであるにもかかわらず、初期装備のドレスを着ているからであった。


ただ、2晩寝て姿のことなど頭から抜け落ちている有咲にそのことを知るのはもう少しあとである。




「そろそろ【岩落とし】で倒すのも飽きちゃったなぁ。よし!新しい武器を買うしかないっ!」


有咲は初日に《ラッキーステッキ》を買った武器屋に向かった。


店に入ると、SALE!!!!驚きの値段!!と書かれた幕が天井から垂れていた。某スーパーのチラシのような色合い、赤と白だ。


店員のNPCが早速話しかけてくる。


「これはこれは、この前のお客様!本日は新たな武器を求めてですか?」


(ホントに人みたいだなぁ)


「はい!そうです!この前の武器だと攻撃力が低くて、全然敵を倒せないんです」


店員NPCは、そうであればといってメイの手元にパネルを表示した。

そこには、初期装備とはかなり違い、赤や青の宝石の装飾品などが多くついた強そうな武器のページが並んでいた。


「このあたりが中〜上級者向けの武器となっております。失礼ですが、お手持ちの方はどのくらいですか?」


メイがプロフィールを開くと、現所持金8236円という表示が。


「おっと……これではこのあたりの商品は厳しいですね。もう少し武器のグレードを下げるか、所持アイテムの買取の方もやらせていただいております」


「アイテム買取かぁ、そんなに売れるものなんてもってるかなぁ」


メイのアイテム欄には、

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時のソーダ×30

ふわふわな羽×48

硬い羽×52

鱗の羽×16

龍の目×2

時のブレスレット×1


―――――――――――――――


と、鳥型のドラゴンを倒した時にドロップする羽系のアイテムでいっぱいだった。


「お客様のアイテム欄内のアイテムで、高額買取のものは、《鱗の羽》《龍の目》がありますね。全て買取となると、12000円となります」


「い、いちまんえん……、売ります!」


アイテムは全て消え、所持金が増えた。


「お客様の今のお手持ちですと、この中のほとんどの武器はご購入いただけます!」


有咲は武器の説明も特に読まず、すらすらと写真を見流していた。未だ有咲には有用な武器の特徴はわからず、ルックスだけで決めようとしていた。


「これいいかも!」


有咲が手を止めたのは《炎の契り》という魔法使い向けの武器だった。


「そちらの商品は炎属性の範囲攻撃が得意な武器となっております。ご購入なさいますか?」


「範囲攻撃!たしかランキングには討伐数ってあったよね!これで1番狙っちゃうぞー!」


―――――――――――――――――

アイテム名:炎の契り

魔法攻撃+70

スキル【煉獄】

20秒間、指定の範囲に炎の壁を作り

その中を焼き尽くす


値段:18000円

購入しますか?

YES NO

―――――――――――――――――


有咲は躊躇いもなくYESを押した。装備しちゃってー!と付け加えると、自動的にプロフィールが更新された。


「あと2000円あるなぁ。店員さん!まだなにか2000円でかえるものある?」


「こちらのアクセサリーなんて如何でしょうか?」


店員は再びパネルを更新し、いくつかのアイテムを表示させた。


「これかわいいかも!あーでもこれもいいなぁ」


有咲の買い物はもう少し続いた。

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