チョコレート・パーセンテージ

きみがぼくに教えてくれる

恋のお味はチョコレート

さあ ぼくだけのショコラティエ

今日はどんな オリジナルをつくるの?



はじめてきみがくれたのは

オーソドックスなビターチョコ

他と少しも変わらない 当たり障りのない態度

カカオ60% 

それがきみとぼくの距離


最初のうちは不器用で

きみとの距離は縮まらない

カカオ75%

この期間さえ 乗り越えたなら


きみと100%になりたくて

この恋の味を変えてゆく

いつか二人で完璧な

味わい深いチョコレートを



きみに気づかせたいからさ

やさしさという名のミルクを混ぜる

カカオ20% 

あまい甘い ミルクチョコ


だけど悲しい きみのやさしさは

特別な一人じゃなく

たくさんいるうちの誰か に向けられたもの


きみと100%になりたくて

この恋の味を変えてゆく

きみがとろけてしまうほど

とくべつ甘いチョコレートに



ああ 夢だったらいいのにな

今日見てしまった光景が

ほかの誰かと手を取って

幸せそうにしてたきみ



最後にきみがくれたのは

とびきり苦いビターチョコ

カカオ95% 

そんなに離れてしまったの


そのうえタチが悪いんだ

どれだけ忘れるつもりでも

こびりついて離れない

にがい苦い 強烈な思い出


あと5%は なんの味だったと思う?

それはね ぼくの流した一滴のエッセンス

微かな塩味で アレンジを加えてみたけど

ああやっぱり

きみがくれた苦さが勝って

ぼくの力じゃ どうすることもできないや


きみと100%の関係になれるのは

ぼくじゃないみたいだ

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