006:暁雨、早朝に川原を散歩する(16)
困った時の
そういうつもりは無かったんですが。
一体何に祈ったんやら。
まさに
こりゃ喰われるぞと私が危機感を
この家の
そやから
なんせ
「おとん‼︎ 無事か⁉︎」
アキちゃんやな。
こうなるともう、そこらの神よりも、親想いの息子の方がよっぽど
「アキちゃん
追いかける足音がして、どこかで聞いたような声が息子を
「
「
二人してドタバタやってる音が座敷から座敷に走り回り、ほんまやったら私はもう死んでおったでしょう。
敵が本気やったらね。
そやけど、
飢えて
ただ
それやったら、まあ、ええやないですか?
首はやめてもらいたかったですけど、どこから出ようが血は血や。
もう
「おとん‼︎」
我が家の
お供の
これはこれで
うちの跡取り息子の連れ合いの神で、
「やばいアキちゃん! おとんがもう喰われてるぅ!」
びっくりしたように
化け
「くっそ……
気が短いんか、よう見もせずに息子が神刀を振り上げています。
いや待て、アキちゃん。大丈夫や。
そない言おうとしましたが、それが声になるより先に、振り上げられた
「
面倒そうに言うております。
このところずっと、
私はなるべく会わんようにしておりますんで、定かではないですけども、ほとんどの時間を人の姿で
他ならぬ、息子が描いてやった絵の姿やそうで。
そんなことができる
それも納得がいきませんけど、納得する他にどうしようもあれへん。
「おとん……大丈夫なんか?」
「大丈夫や……ちょっと訳ありで」
返事したものの、おとうさん、アキちゃんにはこないな
「こら、
私やのうて
それに
「神ともあろう
それにも
白づくめで羽毛まで生やした、動画撮影の
確かに、迷うて飛び込んできた鳥のようやな。
「舞台衣装や」
面白くなさそうに、
「浮かれた
感心してんのやら
ちょっとここは、
「いつまで吸うてんのや、クソッ!」
完全に八つ当たりやという口調で、
痛いやないか⁉︎ こいつまだ俺の首を
しかし、そんなことでガタガタ文句言うてられる空気でもありません。
息子の前やないですか。私にも
「な……何やこいつ?」
まだ
息子が見たそいつは、片側にしか手足がなく、可愛げのある顔には耳まで
しかも血を吸うたさかいに、白い
吸うた血で
息はぜえぜえと荒く、身を
こんなもんを幼いユミちゃんのそばに置くわけにはいかへんのです。
そやけど、これが、
「うぅ……」
化けるんかな、こいつ?
そない思って、まだ
「オエエエ! 何こいつ⁉︎ キモっ……キモ……オエエエッ⁉︎」
皆が絶句して見守る中でも、ありがたい
もうちょっと
「ふぅん。なるほど。お前、ハンザキやな?」
苦笑の声で、
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