006:暁雨、早朝に川原を散歩する(7)
「そないなこと何もまだ決めてへん。今日一日を生きてるかも分からんような状態や。生きてこその身の振り方やろう。今はどうでもええわ」
「ほな……こいつ、死ぬのか?」
布団の上の男は、変な
これやと、死ぬほうが自然やろうな。
「たぶん、死なへんやろな」
「死んでも坊が生き返らせるからか?」
キッと怒った顔で
なんで怒るんやお前は……。
「そうやない。お
結局のところ、死すべきもんは死ぬんや。
あるいは、本人がな。
「生かすのか?」
「できるもんならな。せっかく生きてるのやし、これも何かの
そら、見ていて
そやけど、こいつの
「
「
「人のこと言えん程度には、お前も化け
こいつは
恐ろしい化け
それでも姿は美しいのです。
それが不安そうに本家の
いつになっても不幸せそうで。
何か私が
それとも、こいつはこういう鬼なのか。
「おいで」
背後に呼んでも来ないので、しょうがない奴やと思いつつ、手を
冷たい手でした。
生きてるような気がしいひん。
なんや、あんまり望まれてへんようなのを無視して、ぎゅうっと抱きしめると、
深い、
「びっくりしたんや。急にネットであんな写真見て、全然知らん奴やったし。誰やろって……驚いただけや」
「半分しかないとこには驚かへんのや?」
「半分でも全部でも
可愛いな、こいつ。今日は。
「何考えとんのや坊は。
なぜバレたんか、
もう
だって、そろそろ起きるみたいやで。
その前に、
せっかく、
「
そう言う割に力のない指で、
キスしてええんや。
でもせっかくの機会ですしね。ちょっと失礼して。
そうっと誰にもバレへんように、
押し倒そうかな。
「だめ……だめ
これ難しいなあ。こいつ常に
いつがほんまに
たぶん今ですね。おそらく。
「ミズグチさん」
急に強い手で
これ人間の手やないわな。
何か……そう。冷とうて、何かヌメっとしたものでした。
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