005:暁雨、米を炊く (3)
危うく大事な米を流してしまうところでした。
あかんな。
よぅし。これで火つけたらええだけや。簡単でしたね!
「おとうさん、お米って
ん⁉︎ そうやったか……そういうたらそうか?
ユミちゃん、なんでそんなこと知ってんのや?
「
いかにも残念そうに、そんなことも知らんのかという声で
知らんわ……そないなもん。なんで知ってんのやユミちゃん。
「見たら? おとうさんも。役に立つよ」
「役に立つようなもんやあれへんやろ」
「見てたらお米は
「そないなもん見んでも
断言して、もうサッサと火をつけることにしました。
マッチ、マッチ。ありません。なんであれへんのや!
もう
何なら
さて、点火!
「燃えろ」
命じると、
赤々と
「おとうさん」
しみじみと、炎を目に
「こんなしょうもないことに
気の毒そうに言う
「ねぇ。おとうさんは、悪い子ぉやの?」
心配そうに言うユミちゃんに返す言葉もありません。
いや。何というか。
ちょっとくらい見逃してもらわれへんのやろか?
おとうさんて大変なもんですね。
そない思った時でした。
ボォンと鈍い音を立てて、
どうやら火ぃが強すぎたようや。
あんぐりとして、ユミちゃんと二人で天井に突き刺さった
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