第6話 日常という特別な空間
あの日から、全員とお別れするまで半年かかった
同じ会社のハヤト
よく焼き鳥屋に行くジュン
夜景が素敵なマンションに住むケン
波打ち際を歩いたユウジ
そして、旦那のアキ
人生をやり直すために今まで一緒にいた彼らたちと別れる必要があると、何故かすごく思った
半年後
「結婚してくれますか?」とアキが2回目のプロポーズをしてくれた
「そうね、ありがとう。よろしくね」
私は噛み締めるように頷きながら答えた
全てがうまくいくことなんてないけれど、平凡でありきたりな毎日こそが、幸せだと今なら言える
もう刺激的な朝の会話やベッドの上のエンターテインメント、気に入ってた風景も見られないだろう
それでも、私はこの道で生きていくことにした
一緒にいてくれた人たちにとても感謝しながら、歩いていく
「お前、綺麗で頭がいいから人生イージーモードなのに、なんでハードモード選ぶんだよ!」
チームリーダーの言葉が最後に浮かんだ
人生イージーモード 加賀律 @ruchokar
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