委員会
今日は委員会の初集会らしく放課後は全員忙しそうにしていた。僕の入った委員会も当然ながら集会があった。集会の場所に来ると少し早かったのか席に座っている人はまばらであった。ほとんどの委員会は一クラス二人組で構成されているが昨日僕は夢の中に行ったままホームルーム終わりまで帰ってこれなかったので相手が誰であるかということはまだ知らない。クラスごとに指定された席に座りスマホのネットニュースを見ながら開始を待っていると隣に誰か座る気配がした。紛れもなく同じクラスのもう一人の委員である。誰だろうかと思いそっちを向いてみると衝撃の光景が広がっていた。
真っ黒で何となく奥ゆかしさがある髪の毛、見た目だけでとてもやさしい雰囲気。そう、もう一人の委員は茶屋道さんであった。動揺していることに気付かれないようにしようとするとすぐに担当の先生が会議室に入ってきた。集会が始まると仕事内容、委員長・副委員長の紹介と順調に先生が進めていった。
「では次ですね。次はまだ入学、クラス替えしたところの学年もありますから相手の人に自己紹介をしましょうか」
そういわれると周りの人達は自己紹介を始めていたが僕は動揺で一瞬フリーズした。しかし始めないと変な人に思われるので正気を取り戻し彼女の方を向いた。しどろもどろしていると彼女から話しかけてくれた。
「茶屋道です。去年も同じクラスだったけどよろしくね」
「く、黒尾です。コトシモヨロシク...」
何を言っていいかわからずカタコトになってしまったがどのクラスも自己紹介が終わったようだった。
集会も終わり教室へ帰り帰宅する準備をしていると茶屋道さんが近くにやってきた。
「ボランティアの計画書書いてくるよう言われてたけど大丈夫なの?手伝おうか?」
「お言葉に甘えて手伝ってもらおうかな,,,」
茶屋道さんと話せるまたとないチャンスである。いつもこういう時は臆病になり断わってしまう。いわゆる”チキる”というやつだ。最初は『いいよ、大丈夫大丈夫』と断ろうかとも思ったが勇気を振り絞ってみることにした。しかし次の彼女の言葉に僕の頭は完全にフリーズしてしまった。
「でもここだともうすぐ部活の集会が始まるみたいだから私の家でしましょ」
「・・・へ」
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