第7話 この世界のよく叫ぶ話。

 階層が残り1000層でまたまた面白い物を発掘してしまった。


「ほう。これは面白いな。浮游石とでも言うべきか」


「浮游石ですか?」


「ほれ結晶にすると」


「浮かんだ!え?風のエレメントで浮かぶとかではないのですね」


「うむ。どうやら重力中和の効果を発揮しているようだ。ふむ。すまんがまた研究に入る。その間は好きにするが良い」


「あ、はい。エド様。何しよう?と言ってもする事限られてるけど」


 ◇



「ふむ。成る程な。そういう事か。ふふふ、やはりこの世界は面白い」


(ふふふ。エド様楽しそう。)


「ならば作ってみるか」


 ◇


「ふむ。リーシャよ。少し此方に来なさい」


「え?はい!エド様!」


「うむ。少し待て」


 そうしてエドワードは、リーシャの簡易ストレージの数を17に増やし、4枚の重厚なタワーシールドと4本の馬上槍の様な物を自身のストレージから材料を取り出し構築していった。


 そして仕上げと言うかのように浮游結晶をタワーシールドには各々5個ずつ、馬上槍には12個ずつ搭載し装飾も今着ている鎧に合わせて藍色ベースに銀のラインの入っている。


 それらを浮游させタワーシールドをリーシャの両肩と背中側に2枚ずつ配置し、馬上槍は頭上の両脇に2本ずつ配置した。


「うむうむ。良く似合っているではないか」


「え……と。ありがとうございます?」


「うむ。どれ機能を説明してやろう。両肩に浮游しているのが、物理浮游盾タイプβと頭上両サイドのが電磁シールドタイプδだ。どちらも基本、主の自動防衛を果たす」


「え?でもエド様。私は既にリフレクトシールドを頂いておりますが」


「あくまで次元式リフレクトシールドタイプαはリーシャ本体のみのを自動防衛する機構だ。だが物理浮游盾タイプβと電磁シールドタイプδは主が守りたい者を意識的に守るよう動かす事が出来る。」


「な、成る程」


「因みに電磁シールドタイプδは各々が4基ずつに展開し、面での広範囲防衛を得意とする。だか、拡げるほど防御力が落ちるのでカバー出来る様に4基ずつ用意した」


「え、エド様。何か重装というか、フルアーマー感が半端ないのですが……」


「うむ。格好いいだろ」


「え、えーとー。こ、攻撃武器……では無いのですね」


「何を言っておる。我は一つとして主に攻撃武器等、渡しておらなんだぞ」


「え?でも」


「避ける為の起動力。力を流す為の無刃の剣や棍と徒手空拳。牽制の為の弓。遮る為の盾。全てはリーシャ!主が己を守る為の技や道具でしかない」


「で、でもこの間初めて実戦訓練を」


「あれは主が絡まれた時の対処プログラムがきちんと機能するかの実験に過ぎん」


「そ、そんな!私はエド様!貴方の盾!そして剣になりたかったのに!」


「ふん。十分に盾になっておるではないか。剣は我が成しておる。何が不服と申す」


「そ、それは」


「ふむ。それと最後の仕上げだ」


 そう言うとリーシャの鎧を変形させ浮游結晶を組み込む。


「これで、空中機動力も大幅アップ間違いない無しだの。ふむ。そうだ。脚部フロート機構も組み込むかの。起動力が更に増すのう」


「え?」


「うむ。これで粗方完成かの。リーシャ。良く慣らしておけ。まあ、このダンジョンを攻略する頃までは、またアイディアが出るかもしれんがな。はっはっはっ」


「えー!」



 ダンジョン脱出まであと999階層。








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