キサラギが死ねばいい、と思っていた時期もあったけどとりあえずまだ生きてる

火龍がちょっと元気なさげな気がするのは気のせいだろうか？

　火龍がちょっと元気なさげな気がするのは気のせいだろうか？

　同居人にべったりなのは変わらないけど、キサラギに押し付けられてもぺちんぺちんのキレが悪い。

　仕事中もずっとぼんやりしてたんだって、大丈夫かな。

　少し心配ではあるけれど、今のところは様子見ということになった、なんかあったら例の精霊マニアさんに相談すれば多分なんとかなるだろう。

　ああ、それと狩場の方で同居人が火龍を連れてるって噂になってるらしく、よく話しかけられるようになってうざいからなんかうまいこと誤魔化せる霊装作ってくれって頼まれたから、格安で引き受けておいた、明日作ろうと思う。

　変則的になったけど今日の出来事を。

　今日は基本的に仕事の方を進めた、全体的に少し在庫が減ってたのでそれらを増やしていった感じ。

　あと夕方に花蜘蛛の発注が来たので明日以降そちらの作業も進める予定、もう少し威力を強めてほしいとのことなので手癖でいつものを作らないよう注意すること。

　同居人達が帰ってくる前に夕食の準備を始めた、今日は親子丼にした。

　味は普通だった、卵を固くなりすぎないように気をつけすぎたせいで少し緩かったけど。

　後片付けが終わった頃に同居人達が帰って来た、今日は何故か火龍が同居人からひっついて離れようとしないのでキサラギがまた預かることに。

　ぺちんぺちんにやっぱりキレがない、こっちのこと心底嫌そうにしてるのは変わりない、というかいつもより嫌そうな顔なのに。

　ついでに採寸もしといたけど、ぺちんぺちんにキレがないので測りやすかった。

　同居人が戻ってきたらしゅぱぱぱとそっちに行って引っ付いた、今日は随分と甘えたがりだ。

　そういや引き取り手まだ探してるのかって聞いてみたら、そっちは例の精霊マニアさんに丸投げしてあるらしい。

　他人まかせかあとは思ったけれど、狩場でも一匹狼気取ってるらしい同居人にはそういう伝手がないし、基本引きこもりのキサラギにもそういう伝手は一切ない。

　なら専門家に頼んだ方がいいだろう。

　それに龍、それも古代種となると真っ当な引き取り手を探すのは結構手間がかかりそうだって言われたらしい、欲しがる人はいっぱいいそうだけど、ちゃんと育てられるような人はなかなかいないって。

　うまく育てられなくて制御できなかったら大災害に繋がりかねないし、悪意ある人に人間を襲うように育てられたら手がつけられなくなるってさ。

　そうなったら怖いし、そうなって人間にこの火龍が討伐されてしまうと思うとすごいやだな。

　そういうわけであんまり噂になると誘拐とかそっち系で面倒なことになりかねないからだいぶ慎重に探してくれているらしい。

　同居人としては精霊マニアさんのとこに引き取って貰えば一番いいと思ってるっぽい。

　そんな話をしていたら火龍が抗議するようにぴーぴー鳴いていた。

　精霊マニアさんは嫌いなのかって聞いたら火龍は頷いた。

　キサラギよりも、って聞いたら首を横に振った、悲しい。

　しょぼくれてたら同居人になんでそんな嫌われるのかって不思議がられた、精霊やら魔物やらとは昔から相性が悪いんだって答えたらなんかかわいそうなものを見るような目で見られた。

　同居人はキサラギと同じで精霊がそんな好きじゃないくせに、昔から初見で嫌われるということはほぼなかったらしい、むしろ好かれやすかったのだとか。

　生まれ持った気質なんだろうかと言いかけて慌てて黙った、そういうこと言うとすぐ不機嫌になるから。

　代わりに精霊が好みやすい魔力の質とかがあるらしいって言っておいた、知ってるって返された。

　そろそろ寝る、おやすみ。