手足と角が消えてパニックに陥った火龍を宥めるのに半刻以上かかってしまった、キサラギはさらに嫌われた。
手足と角が消えてパニックに陥った火龍を宥めるのに半刻以上かかってしまった、キサラギはさらに嫌われた。
今日の主な作業は火龍用の霊装と花蜘蛛の製作だった。
火龍用の霊装は作り終わった、花蜘蛛は数が多かったのでまだ終わっていない。
火龍用の霊装はピエロ帽みたいな二股のポンポン帽子にした、ツノがあるからやや大きめに作ってみた。
性能としては簡単な隠蔽機能をつけただけ、手脚を視覚的に見えないようにして、鱗の感じとか顔つきとかを蛇っぽい感じに見えるように簡単な幻覚効果を付帯した。
夕ご飯のキーマカレーを食べ終わった頃に帰ってきたので、早速かぶってもらった。
霊装はしっかりと機能した、火龍の見た目は帽子をかぶっているだけの蛇になった。
出来上がりにキサラギが満足して、同居人にもその出来栄えを満足してもらった。
そこまではよかったんだけど、姿見で自分の姿を見た火龍がパニックになってあちらこちらをめちゃくちゃに飛び始めた。
鱗の感じが変わっただけならまだしも、手脚が見た目だけとはいえ消えたのはショックだったらしくて。
一応最初に説明はしてあったんだけど、よくわかってなかったっぽい。
同居人が落ち着けって言っても落ち着かない、ぴーぴー泣きながら部屋中をびゅんびゅん飛んで、最終的に壁に正面衝突して床にぺしゃっと落ちたので慌てて取り押さえにかかった。
飛んでる最中は早すぎて手がつけられなかったんだよね、無理すればなんとかなったけど怪我させそうで手が出せなかった。
それで改めてもう一回説明した、見えなくなっただけでなくなったわけじゃないんだって、わかりにくいけどちゃんと手足は残ってるって。
しばらくして理解してくれたらしくぴすぴす鳴いてたけど一応落ち着いてくれた。
ずっと同居人にひっついてぴすぴすしてる、時々キサラギのこと睨んでくる、多分今回ので完璧に嫌われたと思う。
多分最初に三枚におろすって同居人に脅されてなかったらキサラギのこと滅茶苦茶に攻撃してそうな感じだ。
色々考慮すると仕方がないので諦める、多少は悲しいけどこのくらいなら大丈夫。
好かれる努力をしたところで全部から回りそうな気もしているから、ひとまずはこのままで。
キサラギはいくら嫌われても別に気にはならない、思えば私だった頃からキサラギは嫌われ者だったし、こういうのは慣れてる。
それよりも火龍の方が心配だ、ストレスで病気とかにならないといいのだけど。
今から寝る、おやすみ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます