第3話 めんどくさいことになったんだが・・・

翌日。8時に起きた。今日は楽しい楽しい休日だ。

しかも快晴。音楽聞いて、勉強をしよう。

学校はそこまで嫌いじゃないが、やっぱり家の楽しさには及ばない。

休日は引きこもってする事が山ほどある。取り敢えず、朝飯食いながら音楽でも聴くか。

パソコンを起動し、ヘッドホンのコードを繋ぐ。すると

ピンポーン!

家のインターホンが突然、音を立てた。

ビックリしたぁ。誰だよ、朝から非常識だな。

寝起きの覚束ない足取りで、玄関まで向かう。

「何すか?」

朝早いことへの多少のいら立ちを含め、声を出す。

「センパイ!デートしましょう!」

銀髪の元カノの妹が仁王立ちでそこに居た。

パタン。一瞬で扉を閉めた。はぁ、俺も疲れてるんだな。一応防犯対策として鍵でも閉めておくか。

「何で閉めるんですか~」

扉を叩いてきやがる。これ以上は近所迷惑以外の何物でもないからやめとくか。

マンション住まいは気を使うことが多いんだよ。

「何の用だよ?」

「それより、何で閉めるんですか?こんな可愛い後輩がフラれたばっかりの先輩の家に来るって嬉しいことでしょ!」

「悪いな、非常識な人とは関わらないように決めているんだ」

「私のどこが非常識ですか?」

「人の家に8時から来ることと俺の家を知っていること」

「別に調べたわけじゃないですよ。偶々、機能の帰りに先輩の後を付けたら分かっただけです!」

思い切り調べてんじゃねーか。

「お前はストーカー癖を直せ」

「癖じゃないです!人をメンヘラみたいに言わないでください!」

「じゃあ、何で後を付けたんだよ」

「え~、先輩そんなに私の事知りたいですか~。まあ、頭を垂れるなら教えてあげないことも無いですよ~」

途端に冬香がニヤッと意地悪い顔に。

「で、今からどうするんだ?」

「無視!スルーはjkにとって禁じ手!これは常識ですからね」

「あー、分かった分かった、んで用事は?」

「腹立ちますね~」

絶対俺のほうがイライラしている。

「デートしましょうって言ったじゃないですか。私の家に来てください」

「嫌だ」

「即答は傷付きますよ!まあ、来ないって言うなら—」

「行きます行きます」

「素直は嫌いじゃないですよ~」

コイツ・・・・

「じゃあ、一時間後に私の家に来てください!」

「は?お前の家に?何で?」

「先輩どうせ、私の家知ってるでしょ?」

何で俺がお前に興味津々みたいになってるんだよ。

「まあ、知ってるが」

答えた瞬間、冬香が意地悪な笑みを。お前が聞いたくせに・・・

俺の元カノを家の近くまでは送ったことがある。入ったことは無いけどな。

「歌の練習しましょう!私本気なんですから」

お前が本気なのは昨日で伝わったが、よく男を軽々と自分の家に呼べるな。

「いやそれは百歩譲っていいけど、お前の家族は?」

「母も姉も仕事です!」

じゃあ、俺的には困らないけど社会的には危ないだろ。

でも、あの写真をコイツは持ってるしめんどくせえけど、行くしかないか・・・

「分かったよ、じゃあ一時間後な」

「はい、待ってます」

冬香が敬礼のポーズをとる。素直にしてれば可愛いくないとは言わない。



一応それなりに外出用の格好をして、記憶を頼りに元カノと冬香が住む一軒家へ。

相変わらずデカいな。

母親が何をしているかは知らないが、娘だけで十分金は稼いでいるだろう。

やべ、何か知らねえけど緊張してきた。お屋敷っていうのもあるし、元カノの家だし。

スマホで時計を確かめると丁度9時だった。

じゃあ行くか。

一呼吸し、ピンポーン、チャイムを押す。

バタバタと音がし、扉が開いた。

「はーい」

出てきたのは冬香—などではなく全く予想外の人物だった。

しばらく、俺もソイツも固まってたと思う。

そう、そこに居たのは今最も会いたくない人、ついこないだ別れた

俺の元カノだった。




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