第3話 出会い

【今開けますよ】

……開ける前に確認くらいしておけばよかった、

いや、確かに先輩は来たが後ろに見知らぬ

女性?なのか分からないが

知り合いではないことは確かだな。

長めのストレートヘアーの白髪の人、

世に言うアルビノというやつだろう。

なぜ先輩と一緒なんだ、

というか許可とってから連れてこい猿。

【先輩その方は誰ですか?もしかして、】

【誘拐でもしましたか? 】

そんな冗談混じりに言ってやると、

先輩は驚いた顔で

(えっお前の知り合いだろ?)

【……は?】

あまりに驚いて素っ頓狂な声を上げると

先輩は続けてこう言ってきた。

(なんかお前の家探してるからって俺に付いてきたんだけど違うのか!?お前誰だよ!!)

お前が連れてきたんだろ……

僕は溜息しか出せない状況を変えるために

とりあえず話を聞くことにした。

【それで、貴方はなぜ僕を

知っているんですか?

過去にお会いしたことありましたっけ】

質問をかけると、

何故か俯いて黙ってしまう……

怪しいな、

僕は何故かコイツに会ったことが

あるような気もしたが…何より怪しい。

こんなに目立つ髪色のやつ忘れるか?普通、

そんなことを考えていると、

今度は先輩が口を開いた。

(お前さ俺と会う前に仲の良い奴がいたとか言ってなかったか?ソイツじゃねぇのか?)

……仲の良い奴はいたが、

思い出したくないんだよな。

ストレート…アルビノ…整った顔…………

確かに一致はしているが何故ここにいることを知っているんだ?

〔あの〜…コウちゃんだよね?〕

急に口を開いたコイツは…

俺と昔の友人しか知らないあだ名を

口にした。

あぁ、最悪だ、軽く舌打ちをして、

そいつの言葉に耳を傾けることにした。

〔あっごめんコウちゃん…だよね?俺だよ

左海 尊(さかい みこと)久しぶりだね〕

どうやら本当にアイツらしい、……

待てよいま「俺」って言ったか?

【おいちょっと待てよ、お前男か?】

おいおいシャレになってねぇよ、

……俺の初恋相手は…「男」らしい、

知りたくもなかったことを数年越しに

知らされたこの気持ちを表すとしたら、

【流す涙もなくなる】そう口に出し

この後の展開を予想し頭が痛くなった。


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飴のように透き通る世界 柚希藍璃 @hiyokomochiaiai

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