1日目

 2018年秋、僕は新メニューの開発に勤しんでいた。


営業終了後に厨房で試作して、この年に店長になった燈野トウノさんに食べてもらうのがルーティン。


9月21日、春の命日の前日にも関わらず、ルーティンをこなした僕は次の試作品の材料を買い込み、自宅へと向かう。


寂れてしまった商店街を1人で歩いていたが、後ろから足音が聞こえてきた。


不審に思って走り出したものの、追い付かれた末に額に拳銃を押し付けられる。


「クロイツのビルトってやつが……俺」


巷で騒がれていた殺人グループの1人になぜか狙われていたんだ。


僕は天罰だと思った……春を殺したのは僕だから。


思った通り、ビルトさんは罪を裁くためだと語った。


「 どこに撃っても確実にあの世行き ...... あっ、 左胸は時間かかるからオススメしない」


僕は感謝しかなかったから、額にお願いして目を閉じる。


結局は発砲はしたものの、僕に命中はしなかった。


「これで罪は消えた……もう自由になってもええんやで」


浅黒い肌に白い歯が際立つビルトさんは送りながら同じ罪を抱えていたと告白してくれたんだ。

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