コップの水

夜が明けて

こうしてまた一日が始まる


ジャブジャブと惜しげもなく

(そう思っていた。当たり前に)

使えたはずの水はもう

コップ半分より少なくなっていて

だからといって

全く無駄のない使い方ができるほど

わたしは器用ではなくて

(情けないことに)

怠惰ですらあって

それでも

それなら

何か一つだけでも

この一日でできることを

人並みにはなれずとも

何か一つだけでも


コップの水は今日も減り

わたしは

泣きそうな気持ちになるのだけれど


その一滴ででも何かができたなら


一日を始めよう

こぼしてしまった水も

地面にしみこめば

きっと

何かを潤すだろう


もしかしたらいつか


そこに小さな花が咲くかもしれない

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