反故紙

一文字書いて止まり

二文字書いて迷う

結局、言葉にならぬまま

文字だけ書かれた白い紙

散らばる紙をいろどった

あお洋墨インクは花のよう


ああ、反故ほごになった文字に埋もれて

わたしはそれでも

わたしの言葉を見つけたくて


増えていく反故紙ほごがみ

見失ったままの言葉


薄暗い部屋の

障子の向こうから聴こえるのは


微かな雨の音ばかり

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