渇望(2005)

何ができるわけでもない

自分自身さえ支えきれずに

カタピシと軋んだ音を立ててるわたしに


だけど、それでもだから

シンクロしてしまう 

感情、が、ある


何が言えるわけもなく

何ができるわけでもない人間が

何も言うべきではないこともわかっている


だから、ただ此処に居るしかできない


それでも


何の神様かわからないけれど

神様という名の存在に叫ぶ


わたしたちはみんな 

本当は ” 生きたい ” んだ

生きなきゃならない、とか 

死んだ方がマシ、とか

死にたいって口にしていてもなお

本当は、何処かで救いを待っている


諦めたと口にしながら

期待なんてしない、と言いながら

それでも、心の底に

消しきれない渇望を抱えている


欲しいものは

ほんとうに哀しいほど、ささやかで

多分、持っている人は

気づいてさえいないような


ちいさな、ぬくもり。


(2005)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る