台風、夜明け前(台風19号の夜に)

カーテンを閉めた窓の向こうで

風がゴウゴウと吹き荒れている

眠れぬわたしは何度も寝返りを打つ


やるだけのことはやったと言っても

やれることは、たかがしれている

ニンゲンの無力さを思い知らされながら


それでもこの言霊を叫び続ける

祈りと願いと共に


台風よ、去っていけ!少しでも早く!

消えてしまえ!誰も傷つけるな!


震えながら叫ぶ胸の中、繰り返しずっと


ちっぽけな何もできないわたし

運命の波の中をアップアップと

溺れかけながら何とか生きているわたし


それでもこの言霊を叫び続ける

大きな何かに挑むような思いで



もうすぐ夜が明ける

必ず夜は明ける


わたしたちは生きていく


生きていくんだ

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