優しい嘘と残酷な誠実

あなたは嘘が下手だから

思ってないことや出来ないことは

口にできない

それはあなたの誠実さ

多分

できもしない嘘をつかれるよりは

いいんだろうけど

それは時にとても残酷


あなたは安心している

周囲に認められていて

遠距離と互いの負う責任はあっても

ある意味、とても気楽な

この重ねてきた年月


それでも

叶わなくても

夢物語でも

時には優しい嘘が欲しくなるわたし



一緒に暮らすとか籍を入れるとか

できないわけではない現実


それなのに

実は、このままを望んでいるのは

わたしの方だったりするという矛盾


本当に残酷なのは

あなたでなくて

わたしなのだろう


優しい嘘を望みながら

そんな簡単にいくものじゃないと

現実になることに二の足を踏む


現実リアルを知りすぎて

夢を無機質にしてしまっている



ズルいのは

きっとわたし


我が身を捕らえているのも

囚われているのも

わたし

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