英雄譚大賞講評

学科魔法士の迷宮冒険記

学科魔法士の迷宮冒険記 - カクヨム https://kakuyomu.jp/works/1177354054895175205

近未来王道ファンタジー英雄譚

　もうこれが大賞でも良いかな、と思えるぐらい面白かった英雄譚。異世界ファンタジーの逆を行く設定。魔族がこっちにやって来るのだけでも設定好きの自分には来るものがあります。当然、近未来的なSF要素も加味しつつ魔法の設定も具体的に記載されており興奮しました。

　また、話の展開が凄く丁寧なのです。ゲームで言うところのチュートリアルがほぼ半分に渡って書かれており、この丁寧な描写によって複雑な今作の設定を無理なく理解できるようになっています。また、その際に行われる登場人物のやり取りもほのぼのとしていて非常に和みます。

　良い所を上げればきりがなく、ボスキャラの傍若無人な強大さも良いし、それに立ち向かう主人公の熱さも大変心に来るものがありました。

　ほぼ完璧なライトノベルファンタジーの今作ですが、後は趣味の違いがネックかな。もう少し硬派な方が個人的には好み。折角の近未来設定なのですから、そちらを主体とした立場の視点も欲しかったかな。主人公達意外のそれこそ防衛の主体を担う軍関係者の話も読みたいですね。

　とても面白い作品を投稿していただきありがとうございました。後、予定より１ヶ月遅れてごめんなさい。続編楽しみに待っております。