英雄譚大賞講評

世界を救う英雄なんて見掛け倒しでもなんとかなるはず！

世界を救う英雄なんて見掛け倒しでもなんとかなるはず！ - カクヨム https://kakuyomu.jp/works/1177354054895196083

　嘘で始まる英雄譚

　面白すぎて一気読みしてしまいました。これは大変好みです。

　異世界転生でやってきた主人公は見かけ倒しの凡人だった。しかし、彼には１つだけ英雄たる資質を備えていた。そこは読んで体験して頂きたい。

　この作品の面白さは主人公の語りの軽妙洒脱さと終幕へと向かう展開の熱さでしょう。主人公が魔王軍と対峙する決意を固めてからの熱い展開は、これぞ英雄譚と呼ぶに相応しい素晴らしさです。

　一方、最後の対決に向けた話の運びは少し急ぎ足だったように感じます。全ての嘘が明かされるのですが、それはほぼ説明で述べられます。もう少し話数をかけて最終対決へと運んだ方が好みだったかな、とも思いました。キャラクターが突然変わったかのような描写について行くのが精一杯でしたので。

　色々言いましたが英雄譚大賞では今のところ１番面白かったかな。十万字の一気読みは久しぶりでした。投稿ありがとうございました。