Step3-1 住居の確認をしましょう
カタログブックのお陰で一定基準の生活は保たれる事になった。
ご飯はとっても大事だよね。もちろん服も。毎日なんて
問題は買い物するのにお金が必要って事。お金じゃなくてアイテム売却でもいいけど、安全地帯に引きこもってるだけではお金もアイテムも手に入らない。それじゃいつか冒険者さんの遺産が尽きてしまうわけで。
幸いここはダンジョンなので、安全地帯の外をちょっと歩けば色んなアイテムや、もしかしたら宝箱も手に入るかも! っていう期待がある。宝箱の中身は強い武器防具や、お金の時もあるはず。そういうアイテムは高く売れるだろうし、お金は言わずもがな。幼女には難しいけど、モンスターを倒せばその体も素材として売れるみたい。ダンジョンのモンスターは無限に湧くから、その素材や肉を目当てに毎日潜る冒険者もいるんだね。私には無理だけど!
モンスターの素材は
いや私、さっきから「無理」ばっか言ってるな。けど小さい手を見下ろしてため息を
というわけで、安全地帯の外がどうなっているのか、テクトの力頼みで探索してみた。グランミノタウロスってどんな奴なんだろ? 高さはどんくらい? マッチョ? 巨大ハンマー持ってる? 散歩気分ではまったくなかったけど、モンスターには興味があった。だから油断してたわけじゃないんだけど、私はどうやらゲーム感覚が抜けきれてなくて、無意識に楽観視していたらしい。
ッズドォオオオン!!
「い、ひっ、ぎゃぁああ!! いやっ、ひゃぁあああ!!」
結局、グランミノタウロスは見れたけど、数十秒も経たないうちに安全地帯に戻るハメになった。
幼女の体で全力疾走はきつい! すぐ息が上がるし転びそうになるし真っ直ぐ進めない! てか普通に追いつかれる! 私を見つけるたびに害意のこもった手を伸ばしてくるモンスター達を、ピシッペシッと結界が
安全地帯へ滑り込んで、ごろりと寝転ぶ。息が出来ない! 待って追ってきたモンスターは!?
慌てて廊下の方を見ると、安全地帯には近寄れないのかモンスターは
当初の目的である、グランミノタウロスは見れた! 思いっきり牛の頭だったし鼻輪もつけてた! 想像通りの顔だった! でも部屋を
テクトを派遣してくれた神様に感謝しかないわ!! 私弱すぎ!!
〈やっぱり防ぐだけじゃ、探索もまともにできないね〉
「いや、なにをいってるの。そもそも、ふせぐことさえ、できなかったら、わたし、しんでるからね?」
私を捕まえられない
その騒ぎのせいで集まったモンスター達に私は狙われ、グランミノタウロスの興味はそっちのモンスター達に移ったわけで。不幸中の幸いだ。名も姿も知らないモンスターの断末魔の叫びは聞かなかった事にしたい。
行きは何もいなくて静かで、これなら何とか探索できそうとか思った数分前の私のバカ!
「はー……こわかったぁ……」
グランミノタウロスは、たぶん、身長が2階の建物くらいあった。その筋骨隆々な
モンスターの足元を素早く駆け抜けていたテクトは全然平気そうだったけど、モンスターが怖くないの?
〈モンスター
「さすが、せいじゅう……かっこよすぎる」
〈僕は平気だけど、ルイは駄目みたいだね〉
「もとのせかいでは、モンスターなんて、くうそうじょうの、いきものだったからね……おもらし、しなかっただけ、ほめて」
偉いねお疲れ様、と
ゲームで慣れてると思ったけど、モンスターを実際
〈どうにかして出歩ける方法が必要か……ちょっと待ってて〉
「え、テクトどこいくの?」
〈ちょっと神様の所にね。不手際を隠してた追及だってあるし……ほんの数分だけ行って来るよ〉
「あ、はい」
〈いい子で待ってるんだよ〉
と
ていうか追及とか言ってたけど、神様を問い詰めるの? 私の事に関して? 神様からしたらたかが人間一人の話だよ? いいのかなぁ……聖獣と神様の関係って本当によくわかんない。確かな好意と主従感はあるのに、ずけずけ物言ってるし。気安い雰囲気に戸惑いを禁じ得ないよ? それとも異世界だとそういう風に接しちゃうのが普通なの?
いやそんなわけないよね、昔の人は神様に好かれようと様々な貢物をテクトに押し付けていたんだし。聖獣だけだよね、あの友達対応。
「グルルァアアア!!」
「…………」
廊下の先にいるモンスターが甲高く
冒険者なら、ああいうのは一掃してから安全地帯に入るんだろう。普段の安全地帯なら、モンスターは近寄りもしないそうだ。私は見つかったままここに逃げ込んだから、彼らは私がこの場所にいると認識している。だから離れがたいんだろう。ううう……安全ってわかってても怖い。何か気を紛らわせるもの……そうだ! カタログブックを見てよう! 集中すればきっと唸り声も気にならないはず!
カタログブックの知られざる機能があるかもしれないし、じっくり見て待ってるかな!
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