本作を読み終わった後で、自分がテレビゲームに限らず、トランプなど遊戯というものが好きになった理由をふと思い返していました。
お盆でも年末年始でも、ガチで楽しみながら遊ぶ、大人の後ろ姿。その楽しそうな様子に惹かれたことはいくつになっても覚えているものです。
テレビゲームでは今こそオンラインという遊ぶ場がありますが、隣で相手を見ながらガチで遊ぶ機会なんて大人になってからはそうそうありません。
一緒に遊びながら素直に一喜一憂してくれる子どもは貴重な相手です。
ただ、大人なので、少し物足りなさを感じてしまうもので、悔しがる子どもを見てこう思うのです。
早く、自分と同じくらい強くなってくれ、と。
いつか追いついて再戦する、その成長を楽しみに待ちながら。
そして、その子どももいずれは大人になって――。
大人から子どもへ、思いがつながっていく熱さを本作から感じました。