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3年が経過し、人類の半数以上が死んだが、特殊な空気清浄機、防護スーツの開発により、絶滅はそれらを手にいれた人類によって、なんとかギリギリのところで食い止められていた。黒雲は太陽光に弱く、当たると一瞬で消滅することだけがわかっていたが、最近になってようやく国連宇宙局が黒雲の成分の分析に成功すると、それは雲ではなく、とてつもない増殖力を有する特殊な細菌であることが分かった。研究者たちは愕然とした。黒雲のDNAは地球に存在する細菌に特殊な細工がされたものだったからだ。つまり、こいつは人がつくったもの。どこかの倫理のタガが外れた誰か、あるいは国がつくったものだったのだ。神聖な生命の設計図、神の領域を傲慢な人間が侵した天罰、それが黒雲の正体だった。


地球の夜側が見えてきた。俺は国連宇宙局宇宙飛行士となり、家族を、国を、世界を殺したあの雲に復讐しに来た。俺だけではない、ここにいる無数の宇宙船がロマンを取り戻しに来たのだ。巨大太陽光増幅反射システム(Husares)作動。宇宙船の反射板から放たれる一つ一つの激しい光はやがて一つの大きな太陽となり、地球から絶望の夜を消しさった。



そして、彼らは空を見上げた。



そこにはあの頃憧れたロマンが輝いていた。



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ロマン 平夜 星中 (ひらや せいちゅう) @k101577

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