第5話2

 『うぉ、びっくりした』



 『きた!これですよ、これ!ほら、鳴ったでしょ』



 常軌を逸した異様な音を聞き、不思議そうに天井を見つめる高橋さん。それを横に、俺は霊に憑かれてもいないし、薬品に犯されてもいないことが証明され少し安堵していた。



 ドン!



 『うわぁ、すごいな、これ』




 『これが毎晩続いたら寝れないっすよ』




 『たしかにね』




 すると、おもむろに高橋さんが立ち上がった。





 『どうしたんですか?』





 『え?どうしたも何も、行くだろ?』





 『行くって、どこへですか?』




 高橋さんは人差し指を真上に向け微笑んだ。

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