親愛と情慾に揺れる
烏神まこと(かみ まこと)
1
ワイングラス片手に真向かいの席に座っている憧れの人は、とろんとした瞳をこちらに向けてしみじみと言った。
「ほんと、格好良いよねぇ……」
お酒が原因で桃色に染まった肌が、濡れたぷっくりとした唇が、その後も俺を絶え間なく称賛していく。普段だったら絶対に見れない姿と偽りのない言葉に胸がざわつくのを感じた。この人の心を俺だけにできたら好いのに。
「つぅくん?」
「そろそろ戻りません? 俺、送りますよ」
俺はグラスが空になる頃合いで座席から立ち上がり、できるだけ無害の男を演じて微笑んでみせた。
親愛と情慾に揺れる 烏神まこと(かみ まこと) @leaf6
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