第50話

「ごめんなさい!ごめんなさい御免なさい」


 灯里は床に腰を落として、突っ伏して泣いた。


「……だけじゃ飽き足らず、十朱も俺に押し付けた」


「……だって……先生が好きなんだもん」


「盆に連れてくつもりなんだ?だから時間稼ぎか?」


 伊能君は学級委員の町田さんを、睨め付けて言った。

 町田さんは震えながら、伊能君を見つめる。


「先生は好きな相手と結婚して、幸せに暮らしてる」


「嘘、先生が好きなのは私だもん。私だけを好きだって言ったもん」


「……そんなのお前の妄想じゃん」

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