第45話

を試す必要があったんじゃない?十朱の心中で……」


「ああそうかもなぁ……」


 校庭にあふれ始めた、生徒達の姿を見つめて十朱君は言った。


「ヒロインはさ、しっかり気持ちを伝えないと駄目だな」


「なんだそれ?」


「しっかりと揺るぎ無い意思を持ってさ、しっかりと自身の気持ちを、相手に表してくれないとさ、グダグダのドロドロの三流恋愛小説みたくなっちまう……」


「ふふ……で?君のヒロインは、今ちゃんとそうしているのかな?」


「お陰様で、僕の弟はできた人間だったよ」





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