伊能君のボヤキ

第23話

「高台先生……」


高台千夏は教頭先生に呼び止められて、職員室の出口で止まって振り向いた。


「先生のクラスには、ちょっと厄介な生徒がいますが、頑張ってください」


「……厄介な生徒?」


「はあ……いろいろと噂が絶えない生徒でして……」


「問題児なんですか?」


「いや、さほど……ただ噂が……」


「噂は噂でしょう?」


「そうなんですが……来たばかりの先生に、あの生徒を押し付ける様で……」


「はあ……」


「しかし、なんで先生があのクラスの担任になったのか……校長の意向ですので……」


「それなら仕方ありません。私も校長先生のご意向で、此方に来させて頂いたんですから……」


「ああ、そうでした……そうでした」

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