第20話

結婚式は延期となり、そのまま結婚はしなかった。


「何も結婚を取り止めなくても……」


継母ははは辛そうにそう言った。


「いいのよお母さん。私基哉が好きだったんだから……基哉から離れる為にあの人と結婚するだけだったんだもん」


基哉が生きていれば、決して言葉とならない本心。生きていないから言える言葉。

共に基哉を愛する相手ひとだから、共有できる感情。


「何それ?」


継母ははは悲痛な声を絞り出す。


「基哉は弟だもの……」


「バカな……。もしもあなた達が付き合ってくれてたら、基哉もあんな女と付き合わなかったでしょうに……」



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