第15話

「三つ違いの弟……うーん?お母さんの方の連れ子かなぁ?」


「何を言っているの?」


高台先生が、長くて美しい黒髪を掴んだ指先の力を緩めた隙に、伊能君はその黒髪を慌てて引き寄せた。


「ねえ先生知ってる?」


「……………」


「再婚同士の連れ子って、兄弟だけど結婚できるんだよ」


「……何を言ってんの?」


「結婚できるんだよ」


伊能君が笑みを浮かべて言うと、高台先生はワナワナと身体を震わせて伊能君を睨み付けた。


「馬鹿を言わないで!」


身体を震わせながら、高台先生は怒鳴り声を上げた。

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