第14話

「やっ、マジでマジで……先生ヤバいからやめて……」


伊能君は、笑いながら長髪を庇う。


「いい加減にしなさい!」


先生は握った長髪を、グイッと引っ張って声を張った。


「マジマジ……マジ勘弁」


伊能君はそう言いながら、ほくそ笑んで先生を見つめた。


「先生弟がいるでしょう?」


「いるわよ」


「……血が繋がってない弟……」


「え?」


先生は伊能を凝視する。


「先生、早く告らないと死んじゃうよ」


「…………」


「先生の弟……最愛の人……」


「……えっ?……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る