14話 パン屋で遭遇

 とてもお盛んな生徒会のお陰により、帰宅部が創設された次の日早速俺たち3人は部活動を行っていた。

 副会長も一応声をかけたのだが会長に呼ばれたとかで不参加になってしまったが仕方ない。

「それで何をする部活なの?結局」

「俺もノリで付き合ってるけど、何も聞いてないな。悠真考えあるのか?」

「いや特に」俺は首を横に振る。

「やっぱしか」

「でも、みんなで一緒に帰って美味しそうなお店があったら寄ってそんな感じでいいんじゃない?帰宅部なら」

「まあ別に俺はそれでも構わんが」

 真守は悠真の思いつきのアイディアを納得し、楓に目配せをする。

「わ、私もそれで良いかな」

「じゃあそういうことで早速記念すべき一回目の部活動開始だー!」



 部活動兼帰宅中の3人はとあるパン屋にやってきていた。

 ここは近所でも有名なパン屋さんでお持ち帰りできるのはもちろんだが、お店の中には客席があり店内で食べることもできる。

 そのため午前中は老人や夫人さんで賑わい、今の時間帯の夕方頃には学生が多く現れる。

 パンはもちろん焼きたての絶品でどれもこれも1級品でその匂いにまんまとつられて適当にパンを買って席に着いた3人。


「メロンパン🎶メロンパン🎶」

 ガプリと噛みつく楓。

「ほんと楓はメロンパン好きだよな」

「うへへ。メロンパンは最強だから」

 サクサクとしたメロンパンとは真逆の蕩けるような笑顔で答える楓。

「ふふ。そうだね」


「なんだこの敗北感は……」

 キラキラとした2人の横に今さっき敗北した男が座っている。

「アレ?悠真くん?」

 後ろから声が掛かり振り返ると、未来さんが階段から降りて来ている。

「あ、やっぱり悠真くんだ。うち来てたんだ」

「あれ?胡桃さんどうしてここに?」

「ここ実はおばあちゃんの家で、偶に手伝いに来ているんだよね」

「へー家のお手伝いとか胡桃さんは偉いね」

 未来は「もっと褒めてくれても良いんですよ?」と、少し照れながら言う。


「で皆さんはなにをしてたんですか?」

「部活動かな」

「部活?何部ですか?」

「帰宅部って部活を設立することが出来たからその初めての活動で、美味しそうなお店があったから寄ってるって感じかな」

「んふふ。なんか変なの。けど、面白そうですね。良ければ今度ご一緒させて貰えませんか?」

「来てくれるの!?ちょうど人数も足りなかったところだしこっちからお願いしたいくらいだよ!」

「うかぇでからも是非はっいってほしい」

「飲み込んでから喋れよ。何言ってるかさっぱりだ」

 もぐもぐと食べ飲み込んでから楓は再び言う。

「楓として大歓迎だよ。手伝いない日でいいから来てね」

「もちろん俺からも歓迎するよ」

「皆さん!ありがとうございます」

「未来ちゃん。レジ頼める?」

「あ、少し行ってきます。ゆっくりして行ってください」




 パン屋を出た3人は駅に向かっていた。

「てか楓未来さんと初対面じゃなかったか?てか俺も多分初対面だし」

「確かにそうかも。けど、悪い人じゃ無さそうだし。なにより可愛かったし!」

「そうだねー。確かに超可愛かった」

「そ、それは楓とどっちが可愛かったの」

「それは……言わなくても分かるだろ?」


「(うわー何このドヤ顔。ないわーないわー横に非リアがいること忘れてませんか?1発ぶん殴ってやりたい)」

「え、きっも」

「(よく言ったぞ楓ちゃん)」

「その裏表のないきっもにはかなり抉られたがまあ俺は楓が好きだぞ」

 真っ赤に染まっていく楓とはいぼくに染まっていく悠真。

 なんとも言えない微妙なだけど2人はアツアツな空気のまま駅のホームに付きそれぞれ帰っていた。


 これにて第一回目の帰宅部活動は終了と。

 活動報告書を記入した悠真はベットに飛び込みそのまま眠りにつく。

 次の日の朝。

 机に置いてある活動報告書を見ると水滴で文字が少し濁っており、その紙からは敗者の香りがした。





 あとがき

 久しぶりに書きました。

 まあなんて言うかこんなキャラだったっけ?みたいなのがあるかもしれません。てか俺自身感じました。

 けど、まあーこれは今後に繋がるほんの一部でしか無いですし、長めで見たらまだまだ!

 更新止まってたのになんか見てくれひと多いですし、気づけば2000pv超えそうなんですよ!

 こんなまだ1万文字ちょいで14話なのにこんなに多くの人が一瞬でも興味持ってくれたのはめちゃくちゃ嬉しいっす!!れ

 まあ今日のあとがきはこれにて終わり!

 あしたから少しばたばたするので早くて金曜くらいの更新になりそう。

 ワンチャン明日のヴァイエヴァの待ち時間に書き上げられるかもしれません!

 ではまた!


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