第4話 胡桃の場合の入学式①
「笑顔作れてるかな?」とこれから入学する高校の制服に袖を通し鏡の前に達自問自答をする。
胡桃の家庭はかなり複雑だ。そして胡桃本人も複雑な経験をしてきている。
(その経験等を詳しくは後ほど。今回は軽く)
学校という場所は胡桃にとって正直居心地のいい場所ではない。楽しい思い出より辛い思い出の方が多いし、生きるのが辛くなった時もあった。
だけどたった1人……たった1人の英雄が私を救ってくれた。
けど……すぐ離れ離れになてしまった。
会いたくても電話番号もメールアドレスもLINEもなんにも知らない再び孤独に突き落とされた気分だった。
「……あぁ……ひどい顔」
顔はやつれて下を向き今にも泣き出しそうな顔になってしまっていた。
「しっかりしなきゃ」そう言っていつの間にか腰をかけていたベットから立ち上がった。
校長先生の話が終わり、クラスの周りがどんどんと話始める中、未だにクラスメイト誰一人にも声をかけれておらず、どうしようかと後ろの子に声をかけようと振り返ると、クラスの男子と目があってしまった。
はっと我に返り、すぐ前を向いたがその顔がどこか優しい顔で忘れれない。
もしかしたら、そう思って再び振り返るとまた目があってしまった。
「悠真君」驚きと喜び、感謝と感動に声が掠れてほとんど出なかった。
悠真君には絶対に届いてないし、気づいてない。
けれど、私は気づいた!
忘れるはずも無いだって悠真くんは私を救ってくれた英雄なんだから。
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