第383話 孤独の悪意/???
施設に侵入してきた連中が、私の傑作魔導機、ザオウージュを倒したようだ。対クラス3用に開発した戦力が負けることなどありえるのか……まさか! フェリ・ルーディアの三柱!? いや、ありえない。三柱の一人ゼウスは死に、クリュニーとダフスタルは封印されたはず。
封印を解けるのはフェリ・ルーディアだけだが、彼女は数値化された世界で消滅したはず。もう、三柱を復活させることができる存在はいないだろう。
そうなるとラフシャルの双神、アスタロトとペルネシッサの可能性があるが、あの二人がアスタロトとベルゼブブから乗り換えるとは思えない。さらに双神もラフシャルにより封印されたと聞く。封印を施したラフシャルもフェリ・ルーディアにより巨獣の巣に幽閉されていることを考えるとありえないだろう。
まさか新しいクラス3が誕生しているのか……そうだとしても、ほとんどのブースト技術が失われた今の世に、旧文明時代のクラス3に匹敵できるほどの成長をさせるのは無理だろう。
考えれば考えるほど理解できない。あの者たちはいったい何者なのだ。魔導機もライダーも規格外だと言わざるを得ない。
しかし、だからといって放置するわけにもいかない。どうやって始末するか……やはり最深部に眠るあやつを利用するしかないようだが、それは諸刃の剣となりえる。この研究施設が無くなるのはもちろんだが、下手をすれば大陸ごと消滅するだろう。
それほど危険なものだが……いや、もしかしたら新しく開発した技術で、完全にコントロールをすることができるかもしれない。そうなれば最強の力を私は手にすることになる。そうだ。私は天才だ。天才は何をしても許される。あの技術を使うことも神はお許しになるだろう。
五年前に補充したばかりなので、燃料となる人の命もまだストックがある。早急に準備をしなければ……。
ラフシャル……フェリ・ルーディア……この私を軽視した全ての者たちよ。見ておれ、本当の天才はお前たちではないことを思い知らせてやる。いや、思い知らせるだけでは物足りぬ。アストラルサイドの隅々まで刻み込んでやる。この俺が何者かということを。
真の天才であり、最高の存在。このデミウルゴスが人類の頂点に立つのは必然! 今はこんな地下に引きこもっているが、必ず全てを手に入れてやる。
俺は世界を支配するべきなのだ。天才である俺が支配してこそ全ての人類は幸せになるだろう。その為にはどれほどの犠牲もしかたない。なあに、人間などいくらでも湧いてくる。燃料には事困らないだろう。
さて、それでは始めようとするか……最凶の怪物を目覚めさす時がきた。
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