第21話 久しぶりの休日
「あら、エルちゃん。お久しぶり。」
「お久しぶりです。カノンさん。」
私は久しぶりにギルドに訪れていた。というのも辺境伯の魔術師団と騎士たちとの訓練が始まって以降私はギルドに訪れていないのだ。さすがに毎日あるわけではないもののできる限り訪れるようにしている。空いてる時間もどうやったら効率的に教えることができるのかも考えている。
そんな今日は、久しぶりにギルドにきている。エルは、部屋で寝ているしやることがなかったからだ。するとそこへ・・・。
「おいおい、かわいい嬢ちゃんがいるじゃねえか。」
大柄の男たちが4人ギルドへ訪れた。めちゃくちゃ柄が悪そうな感じの
「おいおい、ここはお前みたいなやつが来るところじゃねえぞ。」
「あぁ、おじさんたちが連れて行ってやるからな?」
「とりあえず来いよ。」
言動だけ見れば私みたいな子供(見た目は)思いの優しいこわもておじさんたちに見えなくもない。だが彼らの下卑た視線がすべてを物語っていた。伸ばされた手をはたこうとするも
「やめろ!!!」
(うわー、面倒くさい。)
そこへ割り込んできたのは、ゴブリンにズタボロにされかけてたアレンだった。
「ちょっと待ちなさいよ、アレン!」
「そうです。速すぎます。」
アレンの取り巻き?パーティメンバーの二人までもが合流してきた。しかも大男たちから私をかばうような形になっている。
「なんだ、てめえら。俺らはこの嬢ちゃんを案内しようとしてただけだぜ?」
「嘘をつくな!明らかにこの子がおびえているじゃないか。」
「それにあなたたちは下卑た視線を向けているじゃない。」
「そうです。」
(えぇ、そんなに私おびえているように見える?)
ちなみにエルは男たちの声がでかいのが嫌なために耳を閉じている。その姿がおびえているように見えたのはここだけの話。
「うるせえな、てめえらは黙っていろ。」
「グッ」
「「アレン!!」」
(うっそん)
大男のこぶしで一撃でアレン君はやられた。アレン君の方が弱いのは分かっていたけどそれにしても一撃って。アレンの取り巻き二人は体を寄せ合ってプルプルしてるし。カノンさんの方もちらっと見ていたけど震えている。
「さてお前たちのこともかわいがってやるからな。」
二人に手を伸ばした男の手を私ははじいた。
「あ?」
私の行動に不快感をあらわにしているが気にしない。
「今すぐどっか行くなら何もしない。でもこれ以上手を出すなら容赦しない。」
「うるせえな、てめえも黙っていろ。」
男がアレンの時のように殴り掛かってきたので手のひらで受け止める。もちろん、身体強化をかけております。
「あ?てめえ、何を。」
「お返しだよ。《アイスタッチ。》」
「あちいし、いてえええええ。」
やったことの原理はとても単純。よくある低温やけどのそれだ。ただそんな生半可なものではなく私の魔力の込められた氷によるものなので私が魔法を解かない限りは解けない氷なのだ。しかも温度も普通の氷よりもはるかに低い。子普段味わうようなことのない痛みに男はその場に悶絶している。
「てめえ、ジンさんに何を」
ジンっていうんだあのおっさん。それよりもほかのやつらまでも襲い掛かってきた。幸いギルド内での争いごとは厳禁と言われているものの幸い見ている人はいるどこからどう見ても私たちは被害者なので面倒なので魔法も使っちゃおう。
「《
目の前に吹雪を発生させ、相手を凍らせる。そのまま風でまとめて5人同時にギルドの外へ風で追い出す。たぶん運が良ければ生きているだろう。
「あれ、確か俺は」
「「アレン!」」
「えっと、ニーナ、ミア二人とも恥ずかしいよ。」
しばらくするとアレン君が起き上がった。そのアレンにニーナとミアの二人が抱き着いた。ただ少しその行動はいただけない。イチャイチャするならここではやめてほしい。心なしか周りの人たちからもさっきが漏れ出ている。
「それで大丈夫?かなり強く殴られたようだけど。」
「あぁ、そうかたしかきみをまもろうとして・・・。あいつらはどうなったんだ?」
「それなら私が片付けたよ。魔法を使ってね。」
私は手のひらに氷の結晶を浮かせながら説明した。
「その魔法どこかで。」
アレンは何かぶつぶつ言いだして考え込んでしまった。え?私何かやってしまいました?
「思い出した。もしかしてゴブリンから襲われている時に助けてくれたのは君か?」
「あぁ、うん。そうだよ。」
(そういえばそんなのもあったね。)
最近と言えば、ほぼ毎日魔法の指導ばっかりだったので忘れていた。アレンの言葉に嘘でしょ?とでも言いたげな顔をしてニーナとミアがこちらを見つめてきた。
「頼みがあるんだ。」
ニーナとミアと話し合ったアレンがこちらを見て物申してきた。なんだが嫌な予感がする。
「俺と模擬戦してくれないか?」
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