新たなグループ
夏美が三人に対して友達になりたいと言い、そして新たなグループを作りたいと言い出す。
個人的にはそれもありだとは思っている。
夏美には助けられている部分も多々あるしな、俺自身は断る理由はなかった。
「いいんじゃないか?『春夏秋冬』と『雪月花』の合体グループならな。アキと冬姫はどう思う」
この話に関しては俺だけではなく、グループ全員の理解が必要となるので俺は2人も問いかけた。
まぁ、この2人の答えは予想済みだからいいけどね。
「俺はハルが決めたならいいと思うよ」
「私も賛成だよ。なんか面白そうな感じになるしなんか楽しくなりそう♪」
うん、カーストトップの答えなんてそんなもんだよね、分かってたよ。
アキと冬姫の言い方に雪本さんが首を傾げて聞いてきた。
「なんで、そこまで犬飼君を信用できるの?少しは悩むところだと思うんだけど」
「なんでって言われてもね。三人のときはハルが色々としてくれてのがきっかけで出来上がったんだよね」
と、冬姫と言うと。
「だから、『春秋冬』もとい『春夏秋冬』はハルの一存でもある訳だ」
アキも雪本さんに言う。
これに関しては、訂正が必要なので俺が声を大にして言った。
「おい、アキ。それは違う。俺自身はそんなつもりはない『春夏秋冬』を私物化するつもりなんて一切ないからな」
「分かってるよ、そうゆう意味じゃないさ。だけどハルがいてくれたからこうして『春夏秋冬』でいられるんだから。なによりも俺と冬姫をこうしてくれたのもハルだしな」
アキは、俺に対して何故か絶対的な信頼を持ってくれている。それは冬姫も同様であるようだった。
アキの言葉に冬姫は所々で頷いていた。
「それだけ犬飼君を信頼してるから彼の噂には気にならないのね」
「俺からすればこの噂が本当になってしまえばいいのにとは思うけどね。実際、この2人はお似合いだしね」
「けど、2人の意思は尊重するから私達はそこまで強く言う気はないのよ。あくまでグループの中の話のネタってやつ?」
おい、なぜそこで疑問形になる。それってネタを現実にしようとしてないか?
まぁ、夏美に迷惑が掛からなければいいか。
「俺らは4人とも問題ないが、そっちはそれでもいいのかな?」
「私はそれがいい」
「私も大丈夫です。逆に申し訳ないくらいで」
全員の了解も取れたので、俺らはお互いのIDを交換してる時に気づいてたが、ここのリーダーってどうするの?
と、いうか嫌な予感しかないんだが……
「リーダーなんだけどさ、紫季さんか犬飼君がいいと思うんだけどどうかな?」
花村さんがそんなことを言ってきた。やっぱり俺の名前は出るのね。
夏美は自分の名前が出たことであたふたしていた。
そりゃ、提案者の名前が出るのは当然だけどな。
さすが天然美少女……はぁ、仕方ない腹を括るか……
「分かった、それなら俺がやる形でもいいかな?」
「「「「「「お願いします!」」」」」」
「問題は、グループ名をどうするかだな。なんかいい案ないかな?」
俺はみんなに問いかけた。
そのまま繋げてもいいがそれはそれで味気ないから、それならみんなが納得する方がいい。
だが、一向に新しいグループ名が出にくい状況になっているので。
「百花繚乱はどうかな」
その発言をしたのは俺だった。
この名前にしたのはそれなりに理由もあり、この面子ならそれが一番だと思った。
「理由を聞いてもいいかな?ハルのことだからちゃんと意味があるのは分かってるけどなんか含みがあるな気もするけどね」
「別に含みはないよ。『百花繚乱』は本来の意味合いとは違うが雰囲気を当てたようなものだよ。周りもこの名前なら理解してもらうのに楽だろうからな」
「それならいいけど、ハルのことだから自分を抜いてる気がしてね」
鋭いな、何故そうゆう所は気づくのに勉強はダメなのか分からん。
俺がリーダーになったからって自分から何をする気はないしな。
基本的にそうゆうことは『雪月花』側にお願いするつもりで俺は止める側だから。
その為のリーダーなのだ。
「そんなことはない。春夏秋冬に咲く花に風景をイメージしただけだ。ここまで言えばアキも納得するか?」
「流石俺らのブレーンだよ。そんな考え浮かびさえしないよ、ほんと頼りになるね」
「俺が出来るのはこれくらいだからな。なにかあれば動いたりしないといけないのはアキとかになるかもしれないが大丈夫か?」
「他はどうか分からないけど、ハルが決めたことならついて行くだけさ。俺らが嫌がることは絶対にさせないしな」
こうして、無事に新しいグループの名前も決まりLAMに新しいグループが加わった。
この先、このグループがどう変化して行くのかは分からないけど自然消滅や無くす行為はする気はない。
そもそも、これだけでは終わらない気がするのは俺だけなのだろうか?
このグループなら他に誰が入ろうと気にする気はないが、あまり多すぎるのは逆にリスクしかならないので出来るなら、あと2、3人で収めたい所である。
雪月花は用事があるみたいで、先に部室から出て生き残ったのはいつもの4人となった。
何故か分からないけどやっぱり4人の方が落ち着くな。
「ハル、ごめんね。リーダーお願いしちゃって……」
「気にするな。俺はこうゆうのは慣れっこだから大した問題じゃないから」
夏美が申し訳なさそうに言ってきた。
自分が言ったからと言っても気にし過ぎ、いつもの笑顔でいてくれないと困るんだよ。
あれ、ちょっと待て。
なんで、俺は夏美の笑顔を望んでいるのだろう。
暗いよりは明るい方がいいのは当然のことなのだが、夏美の笑顔を見ていると冬姫と一緒で周りが明るくなるからと判断した。
少し話題を変えるか。
「なぁ、今日これからスーパー行かないか?来週に向けての対策で」
「お、いいね。あまり時間もないからささっと準備して行こうか」
「うん、そうだね。予算も決めないといけないから事前確認は大事だもんね」
「まだ、1週間先なのにもう緊張してるよ~」
4人それぞれが違う感想を言いながら俺らは、スーパーに向かって学校を後にした。
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