第6話 一緒の帰り道
普段なら一人か隆一と男二人で帰るかの二択だったが、今日は違う。だって俺には、可愛い彼女がいる。その彼女と一緒に帰るのだ。
HRが終わり約束場所の玄関まで走って行った。玄関が見えたとき一箇所だけ輝いてみえた。そこには、パーっと花が咲いたような笑顔でこっちを向いて手を振っている彼女の姿があった。可愛すぎるだろ!俺は急いで彼女の所へ向かった。
「伊倉さんー待った?」
「いえ、待ってないですよ。私か少し急ぎすぎただけですから」
「俺が早く行って待つつもりだったのに····」
「先輩の教室は三階で私の教室は一階なので早いんですよ。あとHR、先輩のクラスより終わるのが早かったんです。その他に昔読んだ少女漫画にヒロインの女の子が付き合ってる男の子を待つシーンがあって、その時会った瞬間の男の子の笑顔姿に憧れてそれを見たくて急ぎました///」
「可愛い彼女が待ってる事が、こんなにも尊いものなんだな〜」
「先輩!そこで身悶えないでください。」
俺は気が付かないうちに身悶えてたらしい。
「ごめんな。でもしょうがない事、だって伊倉さんが可愛いからーーー!!」
「またそんなこと言って、もう先輩ったら///」
顔を赤面にして言ってくる。かわいい
「そろそろ帰ろうか?」
「そうですね。けっこう話し込んでしまいましたし。」
歩こうとすると朝みたいに俺の腕を抱き入れてくれた。温かさを感じる。嬉しいでも自分としては朝と違う形で帰りたい。
「帰りはさ、そうじゃなくてこうしよう。」
抱き入れてくれた腕をほどき彼女の手を自分の手に持ってきて手を繋いだ。
「あのー……手を繋ぐとドキドキしますね///先輩の手が大きくてかたくて強いはずなのに私に合わせて力を入れてくれて、私が緊張して手が強張り汗が滲み出たかと思うと先輩の手も力が入り汗が出て通じてるんだなど思い嬉しくなります。」
「まじまじと感想を言われるとその照れるな」
「先輩はその……どう思いましたか?」
「嬉しいと思った。……だってこんなにも可愛い彼女と手を繋いで帰れるんだもん」
「先輩また身悶えないでくださいよ///」
俺はまた気付かねうちに身悶えてたらしい。
その後は楽しく手を繋ぎながら話しをして帰った。
俺の脳内妄想が現実になる キユリ @kiyuri86
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