第2話 出会い

高校二年生になり初めての学校で、始業式をやっていた。


「今年こそは、可愛い彼女作るぞー」

始業式中長い校長先生の話を聞きながら小声で、独り言をしていた。

「ねぇ、富太聞こえているよ。」

そう言ってきたのは、中学の時からの仲良し·····いや俺を変えた恩人だ。俺にラブコメの本を読ませ今の俺を作ってくれた男その名も氷川ひかわ 隆一りゅういちだコイツのお陰で今の俺がある。本当に感謝している。

「ごめんごめん後輩が前にいると考えてしまって」

この学校の始業式は、前から一年二年三年の順に並んでおり俺は、二年列の一番前にいるため一年生の後ろ姿を見ることができ可愛い子がいないか想像していた。

「だとしても声に出さないでね。先生に聞かれると面倒だから」

と、隆一に注意され声を出すのを我慢していた。

ずっと妄想して気付いたらもう始業式が終わっていた。


今日は、始業式だけだったので教室に戻り帰りのHRホームルームをやった。そこでは先生が「二年生になったんだから後輩の面倒見てやれよ」みたいな話をしていたが、俺は今日の帰り道後輩とぶつかって運命の出会いしないかな〜と妄想をしていた。

しばらくして先生の話が終わり、帰ろうとして隆一を誘うとしたが見当たらない。

「あっ、そっか隆一の奴彼女作ったとか言ってたな」

隆一は顔が良い。だからよく告白されていたが「僕には、お嫁さんが居るから無理だな」と断っていた。そのお嫁さんとは、二次元の女の子のことだ。

「隆一に彼女か〜これからは一人で帰るのか。イヤ、でも彼女を作れば一人じゃない」

と呟きながら鞄を手に取り帰ろうとしていた。


「はぁ〜可愛い彼女できないかなー」

そんなことを考えながら廊下を歩いていると。

「痛っ、誰ですか前も見ないで歩いている人は」

「あっごめん考えごとしながら歩いていたから」

謝りながらぶつかった子を見る。(この子めっちゃ好みなんですけど)俺の好みは、年下でショートボブの髪型、胸が小さい女の子だ〔ニーハイ絶対〕だ。目の前にいる女の子が俺の好みにベストマッチしている。

「あれっ、これ運命?」

頭で考えてた事が、声に出してしまった。

「あのっ·····そのっごっ、ごめんなしゃい」

あっ噛んだ。なんで謝った?

「そのっ本当にごめんなさい。先輩だとおもわなくて」

俺が先輩だと分かったから謝ったのか。

「謝らないで、こっちの方が悪いからさ」

そう言うと頭を上げて恥じらいながら

「さっき言った運命の人ってどういう意味ですか?」

「そのまんまの意味だよ」

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