第一部 四章 捨てられた王女様と奴隷制度

「…これで仲良く『お尋ね者』って訳だが」

呆れつつ例の【可搬型個人用電子計算機ラップトップコンピュータ】を使う。

「そういえば『アンスール神』が【共通金庫型シェアード激薄財布マネーカード】を用意したと…」

ああ、そういえば『そうそう、クリスタルのために共通金庫型激薄財布を用意した。勇者くんから受け取り給え。』って言ってたな。

クリスタルに【激薄財布マネーカード】を渡す。

クリスタルが「最大魔力出力超越」という”状態異常”と呼べるような状況で結界を張れず、警戒しながら対処している。

しかし、油断してしまった。

その油断したタイミングで声をかけられた。しかし声には敵対の意思はなく、酷い絶望感がある少女の声だった。

「クリスタル様と噂の勇者様ですね…」

話そうにも内容が出ない。そうこうしているうちに、クリスタルが話す。

「ルビーよね?…なんで奴隷の首輪なんか付けられてるの?」

クリスタルは彼女に質問する。

「うん。私はルビーだよ。国王に要らない子って言われて奴隷商人に売られたんだよ。」

ルビーはそう言った。言葉の最後は泣きそうになっていて聞き取りづらかったが、おおよそで聴く。

更にルビーは続ける

「奴隷商人が目を離しているスキを突いて逃げてきたんだよ。」

クリスタルはこれだけで察したのか

「要一。ルビーを仲間として迎え入れない?一応は別国の王女だし」

「良いよ。」

即座に答える。この瞬間、要一はハーレム王が確定してしまった(汗)

しばらくして【可搬型個人用電子計算機ラップトップコンピュータ】が着信音を鳴らす。

表示にはGrapeグレープ(正式名称:Grand peer-to-peer)というアプリケーションAppli名とアンスールかみさまという表示名が出る。

あ、携帯電話ガラパゴスケータイ充電してなかった(汗)

携帯電話ガラパゴスケータイの充電が切れてるならはよ言え!』

「そんなぁ。無理ですよ」

『まぁよかろう。ルビーの【奴隷の首輪】を外したいか?』

「外さないっていうのは論外ですね。」

『じゃ、彼女に【口ヅケ】しなさい。』

「「「え~!」」」

きれいに三人で声がハモる。

星蘭ともまだしてないからな!

もうこれ以上は…

『あ、ちなみにクリスタル君でも良いぞ!』

よりによって百合展開まで用意しやがって(汗)

「じゃぁ、クリスタル様お願いします。」

「…仕方がないわ」

それから1分半ぐらい【口ヅケ】したままだった。

可搬型個人用電子計算機ラップトップコンピュータ】がパケ死するから速く終わって!(汗)

そして気づいたら【奴隷の首輪】は消えていた。

ちなみにこの瞬間、要一は姫男子ひめだんしLv1になってしまった。

『そうじゃルビーのための【共通金庫型シェアード激薄財布マネーカード】と要一のための新世代魔術と旧世代魔術それぞれの教科書をいつもどおりの場所に入れておいたからな。』

「説明省いちゃうんですね」

「要一?様、誰と話してるの?」

『自己紹介忘れておったな、アンスール神だ。【共通金庫型シェアード激薄財布マネーカード】の階級ランク山金銅オリハルコンにした神様じゃ。』

「こいつは女神様ですよ。」

『要一、「こいつ」とはなんだ!?LUK幸運を悪くしようか?』

調子乗りすぎた…

その後通話を切り、ルビーに軽く現状を伝えて【共通金庫型シェアード激薄財布マネーカード】を渡した。

クリスタルも回復し、結界を張って…

「闇を払いし、神の奇跡よ。アンスールの名の下に奇跡を起こせ。」

「要一?」

クリスタルが驚く

それもそうだ。聞いたこともない事前詠唱プリ・キャスティングだからだ。

「スペルキャスティング。ジェネレート テンポラリ スモール ハウス。エンドキャスト。」

目の前に簡易的な家が現れる。

一時家屋生成ジェネレート テンポラリ ハウス

この術は簡易的な家を生成し、住むことができるというもの。

―――――

「今日はここで休もう!」

要一は疲労感を出しつつ、そういった。

「賛成{です‖だよ}。」

要一は自分のための部屋の前に行くと戸を開けて中に入り華麗にベッドダイブした。

そして睡魔に抗えず、そのまま眠りに落ちた。

(やっぱり夢の世界だ。)

「この方法で対話するのは久々な気がするね」

このパターンは必ず神様が出てくるのか…メモメモ…

「この世界の端で【人形魔法生命体マナ・ドール】と呼ばれる生命体を作り出す実験を行う施設があるらしい。」

「神様これって…【依頼クエスト】?」

「そうじゃな。…でだな。その【人形魔法生命体マナ・ドール】実験を止めてくれないか?」

「なぜですか?」

「神ならざる者が人と同格の存在を【生殖行為】以外で作ってはいけないと言う掟があってだな。

 じゃが…一人は作り終えたらしい。だが【生体情報ボディー・コード】が異常だ。これを見よ。」

紙を三枚渡される。魔法進行世界フォワーダー・ワールドではなく地球あのせかい東方の島国にほんこくの人達が一般的に使っている言語である「日本語」で書かれていた。

資料1には平常な人間の身体能力。言わば生体情報ボディー・コードなるものが書かれていた。

STR筋力:70 VIT体力:40 AGI俊敏:140 DEX器用:90 INT知性:200 LUK幸運:35‰

資料2は察していたがくだん人形魔法生命体マナ・ドール生体情報ボディー・コードが書かれていた。

STR筋力:930 VIT体力:780 AGI俊敏:510 DEX器用:100 INT知性:100 LUK幸運:790‰

資料3はなぜかくだん人形魔法生命体マナ・ドールの写真が写されていた。

見た目は十代前半の少女だ。正直に申しますと王女二人に勝てます。マジで。

「これで、生後1年ってところらしい。」

「え?」

「言語能力も見た目相応の能力だが…この世界の言語は日本語ほど複雑じゃないからこそだな」

「戦闘能力は…」

「脳筋プレイだけで勝っている」

「へぇ~ソウナンダ」

「だが彼女は最強の獄に幽閉されているらしい」

「え!?」

これ以上のことを言われてももう驚かない自信がある。

「偶然誕生し、偶然狙われる命で、偶然囚われた。

 彼女の名前は『西野にしの 明莉あかり』。魔法進行世界フォワーダー・ワールドの命名ルールから反している。

 この命名ルールは地球あのせかい東方の島国にほんこくで使われる命名ルールだ。」

彼女の顔・髪…写真から判断できる要素をかき集めて日本人次元を渡りし者であるのは確実だった。

「…神以外は転生を促せますか?」

地雷を踏んだような…気はしない。

「……できると思う。多分。」

「神様がそんな感じでいいか?」

LUK幸運を下げようか?」

「ごめんなさい。もう言いません。失礼しました。」

早口言葉より早く言える自信がついてしまう…

「すまん。言い過ぎた。」

神様は弱いのかな?夢には繋げても、考えが見れなくなってる。

「もう起きれますか?」

「…我はアンスールなり。下僕しもべよ、この者を目覚めさせよ。」

こうして夢から目覚めた要一であったが…

(両手が動かない)

身体の各部位が覚醒する。

目は開けていないが…両腕を抱き枕代わりに二人が寝ているのだろう

それを証明するかのごとく【異性女の子の匂い】がする。

要一は理性を保てていた。いや理性は捨てていたが…

幼・少女愛者ロリコンじゃないからなぁ…)

魔術で筋力を一時的に強化しガッチリ掴んでいる二人をはがして、【可搬型個人用電子計算機ラップトップコンピュータ】を鞄の中から探す。

しかし、入れ覚えのない道具があった。

取り出してみたら紙切れと黒いカードだった。

アンスールが人界に降り立ったのかはわからないが

それは依頼クエストの資料と【冒険者組合ギルド特別優待組合ギルド員証カード】が3人分だった。

組合ギルド員証カードはそれぞれに名前と【招待・代理人:アンスール神】が書かれていた。

…色々と考えているうちに空腹感を覚えた。

近くに狩場はないかな?と思い外に出た。

案の定移動のインフラは発達しておらず討伐隊が来ることはなかった。

すぐ近くに森があった。[狩場あんじゃん]と思い入った。

@@@要一が狩りにでかけたあと…

「ルビー起きて!」

「ルビーに何か用なの?」

「要一が家に居ない」

ルビーもこの意味がわかっているがあえて

「狩りに行ってると思うよ。お腹減ったもん!」

そう予想した。

@@@30分後 ― 要一の現状

狩り終わって肉の処理も終わり。

家に向かって走り出した。

速度も上げて

@@@5分後 ― 家

“ドドドドド”

「「え!?」」

「帰ってきたね…」

「肉持ってるね…」

クリスタルもルビーを揃って呆れる。

@@@要一

家に着きキッチンに向かう。

覚えてるレシピの中でもココでもできそうな「豪快焼肉」を作る

焼く前に何かが宙に浮かんでいた。

神様は計らったな!【なんにでも合う黄金比ゴールデンバランスの塩胡椒こしょう】と書かれたプラスチック製のボトルが浮いていた。

塩コショウで味付けをして黒魔術[低周波熱光線インフラレッド]でじっくり焼く。

クリスタルとルビーがテーブルの前に座った。

そして振り返ったら何故か【東方の島国の主な主食ごはん】があった

~~~その後

焼肉定食?を食べ。組合ギルド員証カードを渡し。今後のことを少し話して、家を保存して冒険の旅へ出た。

もしかしたら日本人次元を渡りし者かもしれない彼女に会うために。救うために。

そしていつかは星蘭と合流して、世界を救うために。今は一歩ずつ、確実に進んでいく。

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