第一部 三章 国王とは…
エンジェフォームの王族は王位継承者が居ないことに悩んでいた
リチャードに任せたら「国王とは~」を破りかねない
第二王子は…(クソッタレと言われるような)性格面(のせい)で不可能だ
必然的に友好国の王女との婚約者になる。が
第二王女は…隣国の「王子」と婚約、隣国の王族として入籍して 頼るわけにもいかない
…どうしたら良いのだろう…
「第一王女の…クリスタルの婚約者が居たら良いのだが…」
「お父様、私にも婚約者は居ます。あまく見ないでください。」
ドヤ顔でクリスタルが睨みながら話しだした
「あっ…」(うっかり発言してしまった…今すぐ王位継承したい。『国王とは』を守る義務があるので行使できないが…)
心の声を抑えつつ、期待しながら尋ねる
「それで、どこの国の王子かな?
まさかとは思うが婚約者『平民』とで…」
平民なら罵倒しようと思ったところだが
「お父様。あの方は『平民』ではありません。
『勇者』です。左手の甲に『聖紋章』も確認できます。」
勇者ですと?聖紋章も?混乱する
「『聖紋章』?『アンスール神』は知っていらっしゃるのか?」
「お父様。アンスール神に対話してみてはいかがでしょう」
「そ、そうだな。」
冷静なツッコミが心臓を突き刺すかのような
「お父様、私は彼と絆の強化(デート)をしてきます。」
「お、おう。そうか、行ってらっ…」
彼女は。クリスタルは低く絶望的な、でも希望がみえるような声で
「少し先の未来でもし、彼や私が戻らなくても心配しないでください。
私が作った白魔術と黒魔術を併せた複合魔術で闇の監視ができますから。
私が闇堕ちしても。いいえ、この世に存在しなくなっても。国はお父様がまとめているのです。
ただ、私があなたの娘ですから。たった一人のクリスタルですから。
死んでも忘れないでください。」
最後はほとんど聞き取れなかった。
それは彼女が泣いていたから
「行ってらっしゃい。天使とともに光の道を!」
「は…い…」
クリスタルは返事をして玉座の間から離れた。
自分の部屋で
「私の…部屋に…来て…」
@@@
要一は目が覚めてラジオ体操を第一、第二ともに終了。武器屋に行きたいと思っていた。
〈プルルル、プルルル…〉〈ブーゥ、ブーゥ…〉と
「もしも…」
『私の…部屋に…来て…』
「わかった。」と言い回線を切る
元気がないな…
@@@
〈ガチャッ〉とドアが開く。
(ノックしてこいよ)と思いつつ、(感情が制御できない…)
「何泣いてるの?…原因は僕かな?」
「いや…貴方…じゃない…私。お父様に『死んでも忘れないで』って言っちゃった…」
「それは僕が勇者だから?」
「貴方じゃないって」
「少しは素直になれよ。」
「でも。でも、私のせいで貴方を傷つけたくない。」
脅すか?なだめるか?
「僕は正直に言ってくれたほうが傷つかない。本当の気持ちを教えてくれ。」
最後の一文で正極と負極が入れ替わった。
「私は、貴方が好き。
でも傷つけたくない。守りたい。
だから貴方のお嫁さんにして。」
「へ?」
(この場合は恋愛じゃなくて隠し事になるでしょ…)と思いつつ
「イイケド、ナンデコウナッタ?」片言な感じで感情なしに返した
「私は未来が見えるのです。不確定でぼんやりしています。
でも私が居ないのです。私は貴方を庇ったようなのです。
ただ懐かしい感じの二人は落ち着いているの。
それは貴方と星蘭さん。なんかの術式を展開しているところで完全に見えなくなった。
私が戻ってこないと国は滅びる。そんな気がするの。
…でも、戻ってこれない気がして」
「心配するな。その展開中の術式は99.9%の確率で蘇生術を行使するための神を降ろす術だ。
星蘭一人だと蘇生術はできない。
蘇生は、生き返らせるのは神の特権だ。」
「神の特権?
アンスール神のこと?」
〈プルルル、プルルル…〉〈ブーゥ、ブーゥ…〉と
こんなときに誰が…と思うと神様だった
「その文字読めない」
「神様だね」(応答、スピーカーフォン)
『そうじゃ、蘇生は神様しか使えぬ。』
「あいかわらずキャラ不安定ですね」
といつもどおりの不安定を指摘。
『仕方ないじゃろ。クリスタルよ、はじめましてかの?』
「はじめまして…貴方の神名は?」
『アンスール。真名は「イサベルカナ・フェフ・アンスール」このさえない
「そんな扱いでしたっけ?」
『冗談じゃよ。〈女神道具〉にラップトップコンピュータ入れといたから使い給え。
そうそう、クリスタルのために共通金庫型
ではわらわも干渉をやめる。Good Luck』
「…印象的な神様でしたね…」とクリスタルは呆れる
@@@
勇者か…世界のバランスを崩しかねない。
「命令通達。勇者と名乗るものを排除せよ。クリスタルは保護したまえ
国外追放じゃ」
@@@
「!」
「どうした?クリスタル、顔が青ざめてるけど。」
「国外追放されます。逃げましょう!」
「わかった。この城に魔術妨害は?」
「攻撃と相手への攻撃的干渉以外は。転移は一度に複数いけます」
「また代理詠唱か…」
〈エイショウカイシ。…〉
「クリスタル様お逃げください。その反逆者を追放します。」
〈エイショウカンリョウ。マジュツハツドウ。〉
一瞬で風景が変わる
「助かった…クリスタルありが…」
【どっこーん】と銃声が聞こえた
「クリスタル伏せろ!危ない!」
「え?まさか…
クリスタルの懐に入り押し倒す
「何でここで押し倒すの?変なスイッチ入った?」
「良いから動くな。死ぬぞ」
【どすっ】どうやら着弾したようだ
「
被弾するとどこだろうと貫通する。そこらの防具も一緒に貫く」
「なるほどね。〈勇者覚醒:迅速移動〉
つかまえててね。絶対離さないでね。」
「わかった。私も援護する。
スペルキャスティング。スピードシールドリミットアンロック。エンドキャスト
我らを導きし精霊たちよ、我の望む状況の礎となれ。
スペルキャスティング。フィジックスウォール リミット サーティ エンドキャスト。
…うぐっ」
最後に苦しむ声が聞こえる
「どうした?」
「魔力切れ。
「力はいる?」
「一応」
「行くよ。あの銃の有効射程外まで。一気に」
「まさか…」
【どん】音速の壁にぶつかる時の衝撃音
速度関係の保護とそれが原因の問題は無効化したのか
@@@
「こちら
「そ、そんなはずが…
クリスタルは?」
「
「遠隔洗脳を試す」
@@@
「勇者様。私に聖なる祝福をお与えください。彼らは遠隔洗脳を使います。解除してください。私の中の洗脳装置を消してください」
『おい、小僧。話を聞け。聖なる祝福は声だけでも良い。
だが彼女はそういきまい。お前からキスしてやれ。』
「クリスタル。目を閉じて。」
「え?…はい!」
(何でこんなことに)
聖なる祝福(キス)を与えた要一であった
@@@
「洗脳装置に接続できません」
「なぜだ!」
「魔術的な装置のために浄化された可能性も」
「なるほど。
今は放置する」
「はっ!」
@@@
「殺害現場には遺体はありません。
また清河星蘭さんの遺言書ああったそうです
現場からは以上です」
「はい。
事件から3日。不可解な遺体の消失や星蘭さんの遺言
この事件はどうなっているのでしょうか?
コマーシャルです」
(ごめん親友よ)
(ごめんね要一くん、星蘭ちゃん)
そう思いながらテレビを見ていた
「コマーシャル多いね」
「そうだな。なんで協会が無くなったのやら。
番組時間の35%が
1年前・・・
大半が払わないまま国の支援も止まり。事実上倒産
報道業界に大打撃を与えた。
緊急時の報道も遅れに遅れ、対応力は三割程度
半年前からテレビを売りたかった衝動もこれが原因である
テレビの売却相談後に彼は何でこんなことに…
@@@
「…要一は新世代魔術しか使えぬのか。
旧世代魔術の欠点である事前準備が不必要。だがその代わり、威力が低い簡易型である。
その新世代魔術しか使えないのは勇者として致命的だ…」
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