第一部 サイドストーリー

第一部 サイドストーリー 美味しく臭い果物

その噂は日々の食事に飽きてきたころに携帯電話ガラパゴスケータイ掲示板ちゃんねる9に上がってきた。

同じメニューだと飽きるのでちょうど良いタイミングであった。

スレッドの名前は「美味しい果物について語るスレ」で279が発言した「臭いがなければ最高の果物」という文だった。有名で誰でも一度は聞いたことのあるだろう「ドリアン」。

魔法進行世界このせかいでは嗅覚停止呪文も完全消臭呪文もあってドリアンも美味しいはず。そう思って可搬型個人用電子計算機ラップトップコンピュータで『世界神の目マップアプリ』を開く。

…が魔法進行世界このせかいにはドリアンはなかった。

いやなくても良いのだが、なんでも「魔法が進展していなくて、『完全消臭呪文』なんて夢のまた夢。そのままだと臭くて食えたものではない。」という理由で種が絶滅していた。

そして諦めはじめたころにGrapeで神様から電話がかかってきた。

「要一。机の上を見なさい。『黄金の林檎』をあげるわ。」

【黄金の林檎】それは食べた者を不老不死にすることで知られる伝説の果物だ。

これは世界樹「ユグドラシル」の存在する世界線にのみ存在する果物で他の世界線には無い。つまり神様は世界を掛け持ちしていることになるが、気にしだしたらすべてが迷宮入りしそうなので思考を中断する。

話を戻そう。机の上には【黄金の林檎】が10個ほど置いてあった。

要一は【黄金の林檎】をすべて鞄に入れた。

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