第一部 一章 隣の彼女はエンジェフォーム王国の王女!?
…僕はどうしてこうなったのだろう
少し前までは会話だけしながら歩いていた
会って間もない人と手を繋げるだろうか?
僕は彼女と「恋人繋ぎ」をやっていたのである
僕からではない 彼女からだ
「自己紹介まだだったね」
彼女の声で我に返る
「僕からでも?」
「いいよ」
即答であった
「名前は『
「『上里』?それが名前?」
「いや『要一』が名前。」
「その読み方は珍しいね、
私は『クリスタル・ローズ・エンジェフォーム』、今向かっている街がある国の王女よ」
違和感があったが無視していた
そう少し前までは…
王女は「恋人」以外で手を繋いで良いものだろうか?
とうとう訊きたくなって
「『恋人』”以外”に手を繋いで良いの?」
やってしまった 現状 凄い死にたい
「あなた、私のことが嫌い?」
どういうことだろう?
神様に転生させていただいて
起きて早々エンジェフォーム王国王女から片想い(?)されている
展開が早すぎる。流石に早すぎる
…しばらく歩いていると辺りが暗くなってきた
そして眠くなってきた
それを察してなのか?
「我らを導きし精霊たちよ、我の望む状況の礎となれ」
「へ?」
不意に間抜けそうな声が出る
「スペルキャスティング ゾーンオブウォールバリア エンドキャスト!」
周りが隔離空間になる。そして二人用の幅の広いベッドがある
そこに彼女と一緒に倒れ込んだ
「あの 『すぺるきゃすてぃんぐ』 って何?」
寝る前に聞いてみる
「魔法を放つにはあれを言う必要があるの
そして『エンドキャスト』で終わらせるの
前に言った『精霊たちよ』とかは私達の王やその王族に伝わる
あれがあってこそのこの魔法なんだよ」
「教えく・れて・・ありが・・・と」
睡魔に抗うことができず寝てしまった
…どこだろう?
夢?の中?
「そのとおりです。ここは貴方の夢です。
「名前は忘れましたが…覚えています」
「彼女も貴方に謝った上でもう一度近くに居たいそうです」
「この世界に居るのですか?」
「すまない。私の調整ミスでこの世界ではない。だが繋がりがある世界だ」
「と言いますと…渡れる?」
「『可能性がある』ってところですかね。
もう長くは話せませんが貴方にお渡ししたいものがあります」
「ここでもらっても意味がないのでは?」
「…両手を出してもらえませんか」
「はい。」
「我らの名においてこの者を勇者とす。」
「…ゆう・し…ゃ!?」
「道具とかは『マジカルスキル 〈女神道具〉』を使って受け取り給え」
「〈女神〉…神様は女性だったのですね。」
「気にするな。私にできることを行ったつもりだ。
『
彼女達のためにも使いすぎないでね。」
(口調がどんどん変わってる…)
「仕方ないだろ。我はキャラが安定しないのだ。周りに同位の神は居らず。上位の神も居らず。神にも孤独はある。それ故に安定しないのだ。」
「エスパーだ」
「最上位の神様ですよ
起きてからも左手の甲に『聖紋章』があるか確認してくださいね
さあ。起きなさい!」
…起きた。起きたまでは良い。
寝た時を思い出す…詠唱に疑問があって聴いたっけ?で睡魔に抗えずに寝たと…
それで「なんて無防備な王女様だろう」
おもわず口に出してしまったがまだ寝ているようだ
(ちょっと離れたところで〈女神道具〉を使いますか)
危険がないよう離れるそして(左手の甲に『聖紋章』はある)
「マジカルスキル 〈女神道具〉!」
空中にバッグが出てきた多機能かばんだ
そして一冊の本が出てきた
本の名前は「かばんを使いこなそう!10個のテクニック」ちなみに副題は「せっかくのインデックスバッグを使いこなせないのはもったいない」
便利だ…と思っているとあの
そして「おはよー、要一くん」挨拶に「おはよう御座います」と返す
「え?貴方って勇者だったの!?」
「…っぽいですね」
「なるほど~ 他に彼女は居るの?」
「一人だけ神様が転移させたと聞いております」
「私だけじゃなくて良かった」
「一夫多妻制だから?」
「いいえ。それは王様や十分な収益のある方にしか許されていません。勇者は論外ですが
凄い人に好意を持たない人って居るの?」
「どうでしょうね?」
「名前思い出してあげて。行く行くは婚約者でしょ?」
「…お、おう」(
「それ不思議な道具だね。
「思い出した。顔も思い出も」
「その人のこと教えてくれる?」
「
そして彼女には実の両親がいない
とある事件に巻き込まれて亡くなった
彼女には言ってないけど 覚えてない
彼女はそのことを覚えてない」
「…見たこともない景色だけど…これはどこ?」
「僕からしたら転生前に居た世界…ってところ」と軽く説明する
「神様ありがとう」
「わざわざ言わなく…」そう言いかけた時
「だ~いすき」
彼女はそう言って飛びついてきた
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