いざ、戦闘終了!

『3の経験値を入手した』


あっ、なんかテキストさんが、唐突に顔を覗かせて来ましたよ。


経験値ですか、スライムを倒したから。


……3ですか、これは多い方なんですか、どうなんでしょうか?


まだ、始めたばかりなので、そこら辺が把握してきれていませんが。


まあ、貰えるに越したことはないでしょう。


ありがたく頂戴しておきますよ。


……でも、そんな整数で表せる程に経験なんてしましたかね?


一撃でしたけど、剣を振り下ろしただけですけど。


むしろ、剣を抜くまでが手間取った感じがするんですが、それは私の落ち度じゃないですよ、このゲームの不親切さが招いた悲劇ですからね。


まあ、刃物で生物を切りつけたっていう意味では、得難い経験ですかね。


現実じゃ味わえない、いや味わいたくもないですよ、そんな珍味は。


大丈夫ですかね、発言の節々から私の見えてはいけない一面が旅立ち始めてますよ。


やめてくだいよホント、足手まといなんですから、酒場で酒でも飲んでてくださいよ。


仲間はずれはよくない。


しかし、適材適所もまた一理ありますからね。


自分だけの輝ける場所を探して進みましょうよ。


……なんの自己啓発ですか、そんな話じゃないですよ。


経験値の話ですよ。


3……ですか、改めて考えてみると、ちょっと多すぎな気がしますね。


0.03くらいじゃないですかね精々、さっきの戦闘の内容だったら。


まあ、捨てるのももったいないんで貰っておきますよ。


もったいないお化けが出演してしまいますからね、飛び込みで。


友情出演。


そんな意地汚い人外の友人、私にはいませんよ。


……人内の友人もいませんけど。


あっ、今、闇が見えた。


光の中に闇が見えましたよ、これが黒点です。


テストに出ます。


嘘です出ません、なんですかテストって、人を試せる立場なんですか私は。


なんの話ですか、先に進みましょうよ。


『3ゴールドを入手した』


おっ、現ナマ!


……言い方。


そこはお金でいいでしょうよ。


まあ、別に驚く程のことではないですよ、ないですけど、実際に貰えると嬉しいですね。


まあ、お金は大事ですからね、地獄の沙汰もカネ次第ですから。


ここ地獄じゃないですけど。


むしろ天国ですよ、地獄は現実の方ですよ。


……また闇が見えましたね、今日はよく見えますね、出血大サービスですよ、いつもより余計に見せてますよ。


まあ、誰得だって感じですけど。


……で、何でしたっけ?


3ゴールドですか?


……3好きですねこのゲーム。


なんですか、3人寄れば文殊の知恵ですか?


石の上にも3年ですか?


それともドキドキトキメキ3角関係ですか?


なにがこのゲームをそこまで「3」へのこだわりに駆り立てるのか知りませんが。


まあ、先立つものですからね。


素直に頂いておきましょうか。

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